ドミトリー(相部屋)で出会う地獄のような宿泊客3選

旅のノウハウ・etc

 ドミトリーは最高です。

 僕は5年間ほど外国をフラフラしていますが、95%はドミトリーに泊まります。

 ドミトリーとはいわゆる相部屋のことで、大抵の場合2段ベッドの敷き詰められた部屋でほとんどプライバシーなく過ごします。全くの他人と一緒に過ごすわけですから、何かしらのトラブルが起こり得ます。

綺麗なドミトリー。割とプライバシーが守られてるタイプ

 

 一体なんでそんなところに泊まるんだと疑問に思う方は↓↓をどうぞ。

 

 今回はそんなドミトリーにおいて、僕が同室した地獄のような宿泊客について紹介しようと思います。

 

家族で占拠された孤独なドミトリー

 カンボジアのシェムリアップにあるゲストハウスでした。

 6人ドミトリーの端っこのベッドに案内された僕はゴロゴロしながらスマホをいじっていました。まだ夕方前だったのですが、ドミトリーはフルで人々はみんな思い思いにくつろいでいました。

 しばらく経って、僕はその空間に何か違和感を覚えました。

 若い2人の男はイヤフォンをつけずに動画を見ており、時たまゲラゲラと笑っています。奥の女性はフェイスタイムを使ってべちゃくちゃ話しているようでした。隣の年配の男性と女性は大きないびきをかいて寝ています。

 外国のドミトリーのよくある光景ですが、その違和感の正体に僕はすぐに気がつきました。全員が全員周りに気を使わなすぎるのです。

 互いに話しかけたり荷物を受け渡しあい、同じ言語で話し合っている(おそらくヒンディー語)様子から、彼らが家族であることがわかりました。

 僕は家族団欒の部屋に一人案内されたのです。

 他のドミトリーにも空きがあったのに、なぜ僕はその中東系だかインド系だかの家族の部屋に通されたのかは分かりませんが、まあそういうこともあるかと受け入れました。

 

 参ってしまったのは、その一家団欒は夜中まで続いたことです。

 昼間にあれだけいびきをかいていたからか、年配の二人(おそらく夫婦)は夜の2時を回っても元気いっぱいで友達とフェイスタイムをしています。フェイスタイムをしている人が二人いるということは、話し声はもう二人分追加されるということです。みんなでワイワイどんちゃん騒ぎが始まるかと思うくらいの盛り上がりです。

 キレる前に一度普通に注意しようと、怒りを押し殺して「すまんけど寝たいから、よろしく」と伝えるとすんなり静まってくれました。

 僕は次の日にそのゲストハウスを出ましたが、宿自体は居心地が良かったので少し残念でした。しかし、一家団欒に一人ぶち込まれるというのは謎の疎外感があって辛かったです。

カンボジア、シェムリアップのドミトリー

 

いびきでも歯軋りでもない謎の不快音を奏でる男

 マレーシアのクアラルンプールの宿でした。

 正確な数は忘れましたが、10〜16人ドミトリーという少し大きめな部屋に泊まった時のことです。

 10人を越えるようなドミトリーというのは大抵の場合はいびきゴウゴウなので、人によっては絶対寝られないようなそれだけで地獄の部屋です。

 ではなんでそんなところに泊まるのか? 安さを追い求める人、他人なんて気にせず寝られる人、物好きな人、泊まる人はどれかに当てはまるのかなと思います。

 僕の場合、いびきくらいはもう慣れっこなので別に気にしません。歯軋りもまあ大丈夫です。それと、稀にですが寝言が激しい人もいますがそれもあまり気になりません。

 しかし、安宿百戦錬磨と自称する僕でも耐えられない悪魔とそのドミトリーで出会うことになったのです。

 

 ドミトリーは大抵二段ベッドなのですが、彼は僕の上のベッドで寝ていました。僕は彼の下のベッドです。

 いつものようにスマホをいじり飽きて、さて寝るかとイヤフォンを外して目をつぶると、謎の不快音がやってきたのです。

 ……チュパチュパチュパッ……

 最初は気のせいかと思ったのですが、どこからともなく聞こえてくるのです。その音は段々と大きくなり、完全に僕の上のベッドから聞こえてくることが分かりました。

 下のベッドにいる僕には上のベッドで何が行われているのかは見ることは出来ませんが、音的には飴(チュッパチャプス的なやつ)を音を立てて舐めている感じです。

 おさまるだろうと思って我慢していたのですが、それが小一時間続いて僕は思いました。

「コイツ、指舐めてやがるな」

 そう思ったらそうとしか聞こえてきません。わざとらしく何度も咳払いと激し目の寝返りをうって遺憾の意を表明していましたが、そのチュパチュパ音は一生やむことがありません。

 「それやめてくれねーか」

 何回か言いましたが、寝てるフリなのか実際に寝ているのか分かりませんが反応がありません。そうやって注意すると、30秒くらいは静かになるのですが、またすぐにチュパチュパ始まります。

 滅多にしないのですが、その音が止まるまで下から上のベッドを蹴り上げて「やめろ」と伝えるとようやくおさまりました。

 

 持論なのですが、ドミトリーは自由な空間です。いびきをかこうが指を舐めようが、それがドミトリーなのです。そして、僕のようにガミガミ言ううるさい奴がいるのもドミトリーです。他人の我を受け入れ、自分の我も通してなんぼと思っていますが、今回ばかりは若干やり過ぎたかなと反省しないこともなくもなくもなくもないです。

マレーシア、クアラルンプールのドミトリー

 

部屋と僕を水浸しにした非常識ニコチン中毒者

 オーストラリアのゴールドコーストのホステルでした。

 長旅で疲れていた僕は柄にもなく最安のドミトリーではなく、いつもより少しお高めなホステルのドミトリーに泊まりました。ドミトリーと言えども値段に比例してその質はよくなるので、ゆっくりしたいときや疲れているときにはレビューも設備も価格もそれなりの場所に泊まるようにしています。

 とは言え、何かあるのがドミトリーです。

 

 当たり前ですが、ドミトリー内は禁煙です。大抵は設けられているタバコを吸うスペースか、バルコニーや外が喫煙できる場所になっています。

 そこのホステルではトイレや共有ルーム(リビングみたいなところ)、部屋にまで「No Smoke」の張り紙がしてありました。トイレでタバコ吸うなんて高校生みたいな奴がいるんだなあと思っていたのですが、部屋にはさらなるドヤンキーな奴がいたのです。

 白いタンクトップに白いハーフパンツでスキンヘッドのガリガリのスイス人だったのですが、挙動が怪しかったのであまり接しないようにしていました。部屋で声をかけられて、全身のタトゥーを自慢し始めたので外に出て夜まで過ごしました。

 0時を過ぎて部屋に戻ると、既に全員寝ているようでした。真っ暗闇の中自分のベッドに這い上がり(二段ベッドの上)、枕を押しのけてスマホをいじっていました。

 しばらくすると、最初は気のせいかと思ったのですが、タバコの匂いが鼻をかすめたのです。正気かよと思っていましたが無視していると、案の定他の宿泊客が気づいて口論になっていました。

 口論しているのはさっきのスイス人です。

 ここで謝らないといけないのは、僕は完全にそのスイス人がタバコを吸っているのかと思ったら別の体のデカイ欧米人のおっちゃんだったのです。

 僕は横になりながら口論に耳を傾けていたのですが、そのデカイおっちゃんは一向にタバコを吸うのをやめません。彼の言い分としては「窓際のベッドなんだから良いだろう」というもので、スイス人の兄ちゃんの言い分は「常識を考えろ」ということで後者圧勝の模様でした。

 10分くらい喧嘩していたので、僕も罪滅ぼしの気持ちといい加減寝たいということで加勢しようと起き上がろうとした瞬間、ドミトリーに雨が降り注いだのです。

 急いでバックパックを廊下に運び出しましたが、僕はもうびしょ濡れです。スプリンクラーがまともに作動するような宿に泊まったのはそれが初めてだったかもしれません。

オーストラリア、ゴールドコーストのドミトリー

 

最後に

 以上のようなトラブルは実際にはかなり稀だと思います。

 僕の経験上ドミトリーは半分以上はアタリ、残りは普通とハズレが半々といった感じです。極端なエピソードだけをピックアップしましたが、基本的にはドミトリーはとてもオススメできる旅のエンターテイメントだと思っています。

 まだ試したことのない方には是非一度、体験してみて欲しいです。そして地獄をみて欲しいです(違う)。

 

 他にも僕の自虐エピソードが知りたいと言うドSな方は↓↓をどうぞ。

 

 最後まで読んで頂きありがとうございました!

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