安宿マニアによる世界の安宿ワースト5

旅のノウハウ・etc

 世界には1泊1,000円以下で泊まれる激安の宿がたくさんあります。

 中にはもっともっと安い宿もあり、僕が泊まった中の最安宿は1泊180円でした。きっとこれを聞いた人の中には「どうせ安かろう悪かろうなんでしょ」と思う方もいるかもしれません。

 もちろん一流の高級ホテルとは比べようもありませんが、きっと想像されるよりもずっと頑張っている安宿がたくさんあります。国にもよりますが、プール、朝食、その他のアメニティも普通のホテルと遜色なく、500円で泊まれるシングルなんかもあります。

 そして一方で「ハズレ」の宿が多々あるのもまた事実です。

 5年間の放浪生活で、泊まっても良い安宿とダメな安宿を見極められるようになってきました。今回はそんな僕が過去に泊まってしまった恐怖の安宿体験をランキング形式でご紹介したいと思います。

 ちなみに僕なりの安宿の見極め方についてもまとめているので良かったらコチラもどうぞ。

 

第5位 インドの60人部屋

 僕はこの宿の存在を旅仲間から聞いて知りました。

「ほとんど現地人らしいよ。安いからオススメされたんだけど汚くて評判最悪だったからやめといた。ちょっと泊まってみてよ笑」

 絶対に泊まらない、泊まる訳がないと笑い合っていたのですが、なんとも言えない奇跡が重なり泊ってしまったのです。

 その宿のある街へやってきたとき、僕はすっかりその宿の存在を忘れていました。列車から出ると雨が降っており、雨具がなかったので安宿街まで濡れながら走りました。

 雨は次第に強くなっていき、僕はその辺でたむろしていたインド人たちに教えてもらった適当な宿に入りました。そしてなんとそこが例の60人ドミトリーの宿だったのです!雨の中をこれ以上動き回りたくなかったのでその宿に1泊することにしましたが、想像以上に地獄でした。

 まずベッドは薄い板の上に布団が敷いてあるという簡素なもので、しきりもなく体育館のようなところにずらりと雑魚寝です。夜になっても電気は消されず、イヤフォンをつけずにスマホで動画を見ている人たちがたくさんいます。

 そしてえぐいのは匂いとイビキです。インドの匂いをより強力にした感じの悪臭が鼻をつき、会話していた時よりも大きな音でイビキをかく2人に挟まれました。外の方が静かなんじゃないかと思いました。

 もう1つ我慢ならなかったのがハエです。インドはそもそもハエだらけですが、そこは尋常じゃない量が飛び回っていました。

 結局一睡もできず、朝方に雨が止んだのを見計らってそこを飛び出しました。

 

第4位 イスラエルのジャンキーハウス

 イスラエルでAirbnb(エアービーアンドビー)という民泊サービスを使って見つけた宿泊施設です。Airbnbでは家主がいて、空いている部屋を貸してくれるケースと、家主不在で家(部屋)を丸々貸してくれるケースの2パターンがあるのですが、今回は前者での利用でした。

 僕がそのアパートにやってきたときには家主は外出しており、僕は部屋に荷物を置いて街歩きに出かけました。夜になって戻ってくるとまだ家主は外出中でした。もしかしたらこのまま会わないかもな(たまにある)と思ってベッドにもぐり込みました。

 深夜2時頃、ふと物音で目が覚めました。どうやら家主が帰ってきたのだと気づきましたが、挨拶するのが面倒だったのでまたそのまま眠ろうとしていました。会話がボソボソと聞こえてきて、家主が友達を連れてきたのだと思いました。

 うとうとしていたのですが、隣の部屋(家主の部屋)の叫び声で完全に目が覚めました。叫び声はその一度きりだったのですが、会話と唸り声と笑い声が聞こえてきます。僕は興味津々で部屋のドアを少し開けてみました。すると、家主の部屋のドアも半分くらい開きっぱなしになっていて、中の様子が少しだけ見えました。

 部屋の中は蝋燭の灯りで怪しげな雰囲気を醸し出しており、床には何かの液体がこぼれているのが見えました。2人は部屋の奥にいるのか姿は見えませんでしたが、その影が壁に揺れていました。そして会話が微かにですが聞こえてきました。

 僕はノゾキと思われるのが嫌だったのですぐに自分の部屋のドアを閉めましたが、閉める瞬間に聞いてしまいました。

「One more LSD, and take the dope」

 どうやら2人は幻覚系のドラッグを楽しんでおり、しかもその後しばらく喘ぎ声が止まりませんでした。ちなみにですが、家主もその友達も女性です(少なくとも声は)。最早、僕が泊まっていることなんてお構いなしでした。むしろそれが狙いなのかとも思うくらいにうるさかったです。

 

第3位 ハンガリーのベッドバグホステル

 第3位の理由は単純で、この安宿で大量にベッドバグを発見したからです。

 僕はある程度汚いホステルやうるさいゲストハウスでも価格と立地次第では全然許容できるのですが、1つどうしても受け付けられないことがあります。それがベッドバグ(南京虫)です。たとえお金をもらっても泊まりたくありません。

 コイツらはダニの一種なのですが、噛まれるとかなり痒く、しかも跡が非常に長く残ることがあるのが特徴です。やっかいなのは吸血系の虫のくせに血を吸うのが下手くそで、上手く吸えるまで刺しまくってきます。なのでベッドバグに噛まれると蚊のように一か所ではなく、点々と歩いた跡が腫れ残るのも特徴の1つです。そして何よりもやっかいなのは生存力です。奴らは熱に弱いとされていますが、その卵は熱消毒にもしばしば耐え、布団の奥深くに潜り込むことによって天日干しからも身を守ります。業者に頼んでも次の日になるとベッドを歩いていたりするので発狂もんです。

 僕がコイツらを恐れる一番の理由は「移動」することです。ヤツらは歩き回り、バックパックに住み着くことがあるのです。気付かずにそのまま旅をしていると、ベッドバグを色んな宿にばらまくことになります。服やバックパックに卵を産み付けられるレベルならもう全ての荷物を捨て、全身の毛を剃り尽くすことをオススメします。

 割と綺麗な宿にもいることがあるので、要注意です。まずはベッドの布団を持ち上げ、マットレスを調べましょう。

 

第2位 カンボジアの日本人宿

 日本人宿は世界中にあります。日本人宿とはその名のとおり、日本人が集まる宿のことです。僕は日本語が話したくなったり、誰かと観光したくなった時にはよくお世話になっています。久しぶりに日本の空気に触れると、たとえそれが外国だったとしてもとてもホッとした気持ちになります。基本的に良い宿ばかりなのですが、中には顔をしかめざるを得ないような宿も存在します。

 そこは「日本人宿」を差し引いたら誰も泊まりに来ないであろう地獄でした。部屋とトイレのゴミ箱はいつもいっぱいで、掃除をしている気配もなくベッドも不潔でした。共有スペースが部屋の隣なのにそこで深夜遅くまでワイワイしたり、注意すべきスタッフが一緒になってうるさい始末でした。トイレやシャワーはすぐに詰まり、流せないままずっと放置されていることもしょっちゅうです。

 泊まりに来ている旅人たちは気さくで良い人たちなのですが、だからこそ悲しくなりました。その宿が好きで泊まりに来てくれているそういった人たちに対しての裏切りだなと思います。「日本人宿」ということに胡座をかいて、それ以外の大切な部分を一切放棄していました。同じ価格、それ以下の価格で他にもっと頑張っているホステルやゲストハウスがたくさんあるだけにとても残念でした。

 

第1位 マレーシアの口コミスコア9だった宿

 過去の栄光とは恐ろしいものです。僕はブッキングサイトの口コミ評価は基本的に信用しているのですが、このホステルは例外でした。実のところ、実際の口コミスコアはもっと低かったのですが、高評価のホステルだけがもらえる賞状をもったオーナーさんの写真を見つけて予約することを決めたのです。数年前はかなり人気のあるホステルだったようですが、当時は値段がかなり下がっていたのも決め手の1つでした。

 チェックインしてみるとどうやら宿泊客は僕だけのようでした。オフシーズンということもあり、特にそこに関して違和感はありませんでした。ドミトリールームに1人だけというのはなんだか豪勢なような寂しいような複雑な感じです。ホテルの雰囲気は、全体的に古びていて、それでもまあ普通のありふれた安宿という感じでした。宿のオーナーも気さくでホスピタリティ溢れる方でした。

 トラブルは夜に起きました。蚊が多くて眠れなかった僕は、外に飲み物を買いに行くことにしました。水を買って戻ってくると、僕は思わず飛び上がりました。でっかいドブネズミが宿の廊下をよろよろと歩いていたのです。オーナーに言うとすぐに外に捨ててくれました。なんだかなあと思ってベッドに入ってスマホを見ていると、なんだか違和感を感じました。ブランケットをめくると南京虫がトコトコと歩いていました。このベッドでは寝られないと思い、リビングの共有スペースに寝転がりました。気配を感じて辺りを見回すと、ゴキブリと目が合いました。もう役満です。

 この宿を1位にしたのは、およそ宿で出会いたくないヤツらのフルコースだったからです。すぐにチェックアウトしましたが、宿のオーナーがいい人だっただけに残念でした。

 

最後に

 僕は今もなお海外放浪を続けていますが、宿選びの失敗は初めのころと比べて格段に減りました。長期の旅ならば諦めもつきますが、短期旅行なら宿選びは失敗できません。失敗しない対策としては2つ、有名でお墨付きのある良いホテルに泊まるか見極めるかです。前者はお金に、後者は経験に物を言わせる必要があります。5年間で培った経験をまとめてみたのでよかったらどうぞ。

 旅や旅行では是非、安くて居心地の良いコストパフォーマンスの良いホテルを見つけましょう。

 ちなみに僕がホテル探しに使うサイトは基本的に「ブッキングドットコム」です。旅人御用達サイトなのでご存知の方がほとんどかと思いますが一応公式サイトを置いておきます。

世界最大の宿泊予約サイト、Booking.com

 最後まで読んで頂きありがとうございました!

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