旅にはたくさんのスタイルがあります。1年、2年かけて世界を渡り歩く長期の旅や、1日や2日の弾丸旅行などその種類は多岐に渡ります。細分化を繰り返していけば、それは旅をする人の数だけそれぞれのスタイルが存在しています。そしてそれらどのスタイルにも優劣や正解不正解はなく、それぞれがそれぞれの人たちにとって正解の旅のやり方なのです。
今回は僕が今までに出会ってきたたくさんの旅人たちの特徴をまとめ、大別して10個のスタイルに分けましたのでご紹介しようと思います。
1.世界一周タイプ
その名の通り、世界を一周することを目的として旅をしている人たちです。世界一周のルートやその期間、方法も様々ですが、学生や夫婦、カップルに多い印象です。できるだけ陸路で行こうとする人や、船を使う人、ほとんど移動は飛行機を使う人など一周の仕方に決まりはありません。日本にいる時は世界一周なんてテレビや小説の中だけの世界でしたが、旅に出てみると会う人会う人全員しているんじゃないかと思うくらいに多いタイプです。
ちなみにですが、僕が海外で出会った日本人の旅人に最初に話しかけるきっかけはいつも
「世界一周とかですか?」
です。体感ですが60%以上はYESです。
2.観光命タイプ
短期の旅行者に多い印象のこのタイプ、滞在中のスケジュールをしっかりと計画して来ています。宿やホテルに滞在している時間はほとんどなく、そのエリアにある全ての観光地を効率よく回り尽くします。美味しいレストランや有名なお土産、名産品を網羅していることもあり、滞在日数が多い僕の方が勉強させてもらうことも珍しくありません。
長期の旅行者よりも短期の旅行者の方がそのエリアに詳しいというのは割とあるあるです。カンボジアに7年滞在している僕の友達は、こちらが呆れるほど観光地も美味しいレストランも把握していません。ちなみに僕も日本を旅行したことがないので外国人からよくそのことをつっこまれます。
3.ノマドタイプ
これは中々憧れるタイプですね。パソコン一台でお金を稼ぎ、色んな国を旅している人たちです。日本より物価の安い国で生活費を抑えている人が多い印象です。宿やカフェでひたすらパソコンに向かっている姿を見ているとなんだか大変そうにも思えますが、話を聞いてみるとみんな楽しんでやっているケースがほとんどです。一度タイで死にそうな顔で毎日カタカタやっているノマドの方に合いましたが、彼はFXのトレードに挑戦して青い顔をしていました。
パソコンと共に忙しそうにしているようで実は割と時間を持て余している人も多く、話しかけたり誘ったりすると気軽に応じてくれる人が多いです。
4.異性目的タイプ
これは男女で少しタイプが分かれます。男性の場合、目的はナンパや風俗です。日本よりも物価の安い国々で良く見るタイプで、豪遊できるが故に日本とは違ったやり方で遊ぶんだり、また単純にその国の女の子が好みという人たちです。
女性の場合、単純に海外の男性が好みというタイプが多いです。日本人女性は海外でモテるという説は一部正しく、一部間違っていると思っていますが、人気であることは確かな事実です。
男女ともに旅中での出会いを期待しており、クラブやバーへよく行っている印象です。一緒に遊ぶと楽しいですが、ある程度経済力のある人が多く貧乏バックパッカーはついていけないことがしばしばです。
5.達成感タイプ
世界一周タイプに少し似ています。何かを達成させることを目的として旅をしているタイプです。例えば、「ヨーロッパの全ての国へ行く」、「~山を登りきる」、「ユーチューブで登録者数1万人にする」など様々です。彼らは基本的に達成させることにしか興味がなく、「ヨーロッパの全ての国へ行く」と言っていたカップルは1日で2つ以上の国に行ったりしていました。
「そこで何したわけでもないけど、全部行くことに意味があるんだよ」
と彼らは言っていました。価値観は人それぞれで、何か達成させたいことを見つけた人たちを僕はかっこよく思っています。
6.ジャンキータイプ
日本では禁止されている「ナニカ」を求めて海外を旅行する人たちもいます。そんなに少数派でもなく、最近ますます増えているように感じているタイプです。その「ナニカ」はある国では合法だったり、またある国では大して取り締まられることがなかったりするので外国まで足を運ぶというわけです。このタイプの人たちはその国の観光にはほとんど興味がなく、短期でも長期でも気が向いたら足を運ぶ程度という感じです。
一昔前はヒッピーのような見た目のバックパッカーに多かったのですが、最近ではスーツケースを引きずった好青年みたいな旅行者がこのタイプだったりもします。ジャンキータイプとは書きましたが、そこまでドロドロになっている人はあまり見たことがありません。
7.日本脱出タイプ
日本の社会に合わない人たちが海外に自由を求めてやってくることは珍しくありません。日本のルールや働き方、または息苦しさが理由の人たちもいれば、反社会的な人たちまで事情は様々です。息抜きのためにバカンスに来たり、芸能人などの日本では顔を知られ過ぎている人たちもこのタイプです。
面白い例で言えば、花粉症が理由で日本に居られない女性に会ったことがあります。割と深刻なレベルで花粉症が酷いとのことだったのですが、彼女と出会ったのはインドだったのなんとも言えませんでした。そこの空気の悪さは東京を凌ぐニューデリーです。
ポジティブな理由を持つ人もいれば逆にネガティブな理由を持つ人もいます。このタイプの人たちは旅だけに収まらず、そのままどこかの国に長期滞在、または移住することを計画しているというケースも少なくありません。
8.ギャンブラータイプ
ギャンブルで生計を立てながら旅をしている人たちです。そんなのいるの?と思われるかもしれませんが、実際にいます。しかもブログやユーチューブなどをやっていない方々がほとんどです。僕が実際に出会った人たちの中では一人もそのノウハウを世に公開していない人たちばかりでした。
勝っているのだから当たり前と言えば当たり前ですが、ほとんどがお金に余裕のある方たちです。ちなみに彼らが旅をするのは観光がしたいとか、旅行が好きとか、日本にはカジノが無いとかいう理由ではありません。その理由はカジノを出禁になるから旅をし続けているのです。
知り合いの元ギャンブラーは今その資金で、ヨーロッパのある国で日本食屋さんを経営しています。当時は綺麗な彼女さん(今は奥さん)を連れて世界中のカジノを出禁になるまで稼ぎ回ったのだそうです。
ちなみに僕はいつもこのタイプに出会うと「どうやって勝つんですか」と愚問を投げかけるのですが、ほぼ100%「んーセンス」とはぐらかされます。
9.テーマ旅タイプ
何かテーマを決めて旅をしている人たちのことです。例えば、「自転車で~大陸を横断する」とか、「世界の有名なランキングに載っているレストランを渡り歩く」などこれも中身は様々です。
長く旅をしている人たちは大抵何かしらテーマを持っていたりしますが、それをメインに旅をしている人たちは意外にも少数派です。ユーチューバーやブロガーなら割とそんな感じで旅をしていることがありますが、個人でやっている人は僕の体感で50人に1人くらいです。
料理人だったり、これからカフェや雑貨屋を始めようとしている人なんかがこのタイプに多かったです。インドではカレー屋を開くと言ってスパイスを求める旅人を数人見かけました。
10.沈没タイプ
このタイプは居心地の良い宿を見つけると長期で住み着き、観光をして回ることなく毎日を宿の共有スペースなどでゴロゴロと過ごします。彼らの目的は主に他の旅人、宿のスタッフとのコミュニケーションや、自分の時間をゆっくり過ごすことにあります。大抵はその国のビザ期間ギリギリまで滞在し、次の国でも同じようにまったりできる場所を求めて彷徨います。ちなみに僕はこのタイプに分類されます。
長期の旅行者に多いのですが、たまに短期の旅人でもこのタイプがいます。彼らは2、3日ただただゆっくりとするために海外にやってきて帰国するのですが、その国、または宿のリピーターであることがほとんどです。
最後に
自分が本当はどのタイプに属しているのか、実際に旅をしてみないと分からないことがほとんどです。自分は観光命タイプかと思っていたのに気付けば居心地の良い宿に沈没していた、なんてとてもよくあるパターンです。そしてもちろん上記には当てはまらないタイプの旅の仕方もあるかと思います。枠にとらわれず自由な自分のスタイルで楽しむことが、旅の良さを最大限に引き出すのだと思います。