【カンボジア】密林に朽ちた神秘の遺跡ベンメリアとその道中トラックに跳ねられた話

カンボジア編

ベンメリアの遺跡群

 カンボジアはアンコールワットがとても有名ですが、今回ご紹介するベンメリアはそのアンコールワットを凌ぐ規模かもしれないと言われています。

 実際ベンメリアの全貌は明らかにされておらず、森林にひっそりとたたずむ遺跡の雰囲気は綺麗に残っているアンコールワットとはまた一味違った厳かな雰囲気を醸し出しています。

 

 ベンメリアとはクメール語で「蓮の池」を意味しており、実際に蓮は確認できませんでしたが遺跡の周りには池なのか沼なのか水場のような場所がありました。

 遺跡は修繕されている様子はほぼなく、崩れているものがほとんです。建物に使用されていたであろう石や岩は苔むしており、木の根っこがそれら遺跡を侵食するかのように覆いかぶさっています。

 

 僕は長年海外を放浪している中でいくつも遺跡や歴史ある建物を観光してきましたが、ベンメリアのようなタイプはほとんど見たことがありません。

 大抵そういった重要な歴史的建造物は修繕したり綺麗に保たれていますが、ベンメリアの遺跡群は崩れたそのままに放置し、自然のなすがままに身を任しています。

 そしてそれら遺跡と自然は見事に融合し調和がとれており、オンリーワンの美しさを誇っています。

 

 遺跡の内部を見て周ることもできるのですが、その際に遺跡と自然の美しい調和を乱さないように工夫がなされているのも素晴らしいポイントです。木の橋が遺跡の周りにかけらており、よじ登ったりすることなく間近で見て周れるようになっています。

 アンコールワットよりも実はファンが多いと言われるのも頷ける荘厳な雰囲気です。実際に両方とも訪れた人に話を聞くと、僕の体感ですがほとんどの人がベンメリアの方が良かったと答えます。

 何故かガイドブックの写真などを見ると、ベンメリアはあまり魅力的に映らないことが多いように感じます。しかし実際に訪れた人は皆一様に良かったと口を揃えます。そこで僕は思うのですが、ここの一番の魅力は現地でしか感じることのでない「雰囲気」なのです。

 森林の奥地に隠された遺跡からは何かただならぬ気配を、その崩れた遺跡を覆う草木からは自然の力強さを、そんな雰囲気はきっと写真では伝えきれないのだと思います。

 ベンメリアのチケットは5ドルで、遺跡の前のチケットを受け取る人は服装のチェックもしています。女性で膝を出している人は注意されており、目の前にある売店でスカーフの購入を余儀なくされます。

 

道中トラックに跳ねられた話

 ベンメリアの行き方は簡単です。シェムリアップからツアーに参加するかタクシーをチャーターするかトゥクトゥクをチャーターするかの3択です。

 バイクや車を借りて自力で行くには少し距離があります。シェムリアップから大体40キロほどの場所に位置していますが、道路の関係上実際に走る距離は60キロくらいになります。一応地図を貼っておきます。

 

 僕は今回トゥクトゥクをチャーターしていくことにしました。ちなみに値段は乗り物1台あたりにかかってきますので、人数がいれば安くなります。トゥクトゥクなら30ドルくらいでベンメリアまで行ってくれますが、全ては交渉次第です。

 海外での交渉事に関しては↓↓をどうぞ。

 

 ちなみにですが、ベンメリアまでトゥクトゥクで行くのは割と過酷です。できればタクシーの方が良いと思います。

 道はそこまで悪くないのですが、トゥクトゥクだとずっと風を浴び続けることになるのでサングラスは必須だと思います。砂や土埃は容赦ありませんし、乾燥対策や防寒具も何かあるとなお良いと思います。時間帯にもよりますが、帰りが遅くなるようだとカンボジアと言えど夜風が冷えてきます。

 トゥクトゥクのドライバーも疲れてきます。少なくとも僕がチャーターしたトゥクトゥクの親父は疲れているようでした。なので恐らく、目の前を曲がろうとしていたトラックに突っ込んで行ってしまったのだと思います。

 僕がボケーとトゥクトゥクに揺られながら景色を見ていると、トラックが一台僕らを左側から追い抜いて行きました。そのトラックはどうやら右折したいらしく、しばらくして道路の真ん中で止まりました。

 日本なら右折したい時はあらかじめ右側の車線に入っておき、角に来たら曲がります。しかし、このトラックは道路の真ん中、三本車線がある中で一番左の車線で立ち止まり右側にウインカーを付けているのです。

「まあカンボジアだしあり得るか」と特に気にせずそんなトラックをしげしげと眺めていました。

 これまた強引なのですが、トラックはゆっくりと右折し始めました。一番左側の車線から右に右折するわけですから、当然道路をガッツリふさぐ形になります。

 何を考えているんだと思いましたが、それでもまだ僕は冷静でした。

「ゆっくりと動いているし、コイツが道をふさぐ前にこっちは追い抜けるだろ」

 トゥクトゥクのおっちゃんもそのつもりのようで、少しアクセルを踏み込んでいます。

 ところが、何を血迷ったのかトゥクトゥクはいきなりスピードを緩めたのです!そのままのスピードで行けば、トラックを難なく追い抜けたはずなのに!

 結果としてトゥクトゥクはトラックを追い抜くことができたのです、が、後ろの僕が乗っている荷台部分はトラックを抜ききることができずに衝突しました。

 トゥクトゥクは大きく傾き、路肩によろけて行き、乗っていた僕は外に放り出されました。

 一番驚いたのはその後のトラックとトゥクトゥク両者の反応です。国によっては大喧嘩に発展してもおかしくないような状況ですが、お互いにこやかに笑いながら何やら話しているのです。

 クメール語は分からないのでもしかしたら笑顔でめちゃくちゃ罵り合っている可能性もありますが、おそらくこのくらいでは事故とは見なさないのでしょう、警察にはもちろん保険会社などにも連絡する様子なくその場は解散となりました。

 僕も投げ出されたのが路肩の草むらだったため、膝に大きく内出血しただけで特に大怪我もなかったので笑ってその場を終わらせてしまいました。

 トゥクトゥクのタイヤをカバーする部分がひしゃげていましたが、走れない程の損傷でもなかったのでそのまま何事もなかったかのようにベンメリアに向かって走り出したのでした。

 

 ちなみにベンメリアへの道中には謎の食べ物を売っている売店が延々と続くゾーンがあります。トゥクトゥクのおっちゃんに尋ねると飲み物と一緒にその食べ物も奢ってくれました。

 

 竹筒に豆とココナッツミルクで炊かれた餅米が詰められています。炭火で焼いたいい香りと、ほんのりと甘いココナッツの風味がとても美味しく、かなりボリューミーな食べ物でした。

 

最後に

 トラックに跳ね飛ばされたと言っても、トラックはかなりゆっくりと動いていたので大事にならずに済みました。とは言え交通ルール的に悪いのはトラック側だと思います。

 僕は東南アジアにもよく滞在していますが、今回のシェムリアップでは1ヵ月で3回も交通事故を目撃しています。幸いどれも大怪我をしている様子はありませんでしたが、もし運転されるような機会があったら十分に気を付けて下さい。

 外国でドライブする際の注意点もまとめているので↓↓をどうぞ。

 最後まで読んで頂きありがとうございました!

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