海外で自動車、バイクの「運転」ができるだけで楽しめる幅がかなり広がります。ツアーなどに縛られることなく自由に動けるようになる上に行動範囲が広がり、状況によっては時間もお金もより効率的に使うことができるようになります。
そして何より異国の地をドライブする躍動感や爽快感は格別なものがあり、忘れられない経験になるでしょう。
同時に逆の意味で忘れられない思い出にしないために気をつけなくてはならない点が存在します。
今回は5年以上外国を放浪し、自動車やバイクを合計で7ヵ国で運転し、時にはドライバーの仕事をしていた経験を元に気を付けるべき「注意事項」をまとめました。
冒険にはリスクがつきものですが、できる限り最小限に抑え、リターンだけを回収しましょう。
ルールの違い
まずは「ルールの違い」です。日本の道路交通法と海外の法律やルール、取り決めは基本的に違います。海外の法律を全て勉強しなければ運転してはいけないとは言いませんが、事前にある程度調べておくことをオススメします。国によっては日本とは逆で右側通行で車やバイクが走っていることも珍しくはありません。
時々、右側通行という理由だけで海外での運転を諦めてしまう人がいますが、想像しているよりもずっと簡単なのでそこはあまり気にしなくてもいいと思います。
左側通行や法律云々よりも、僕が焦点を当てたいのは「ルール」の方です。ただのルールというよりかは「暗黙のルール」と言った方が分かりやすいかもしれません。
自動車でもバイクでも運転をしたことのある人なら誰でもご存じだと思いますが、実際の道路においては法律よりもむしろ暗黙のルールの方が人々の運転を支配している場合があります。日本で言えば、「法定速度未満でゆっくり走っているよりも、少し制限速度を超えるとしても前の車についていく」、「パッシングはお先にどうぞの意味」、「横断歩道では歩行者がいたら止まって待つ」など、他にもたくさん存在していると思います。
上記に挙げた3つの例はいずれも国によっては真逆の意味になることがあり、当たり前に日本のルールで運転していると大惨事になる可能性があります。
例えば1つ目の例についてですが、法定速度を5キロオーバーしただけで罰金になる国があったりします。僕は以前オーストラリアの高速道路で10キロのオーバーで800ドルの罰金が飛んできて失神寸前でした。
3つ目の例については、日本は車が歩行者に道を譲る国だと思っている人が多いようですが実際はそうでもありません。もっと譲る国もたくさんあり、全然譲らない国もまたたくさんあります。乗り物を借りる前には必ず、日本と何が違うのかを調べてから運転しましょう。
道路の違い
日本の道路環境は世界最高クラスです。車がスムーズ走ることができるように整備され、ある程度の田舎へ行ったとしてもつるつるのコンクリートが敷いてあります。
世界にはそれと真逆をいく環境が多々あり、そのような場所を運転する際に気をつけなくてはならないことを箇条書きします。特にバイクで走行する際にはかなり気をつけなくてはならないポイントになってきます。
・謎の穴:道路の亀裂が広がり、穴になっていることがあります。 そこに汚水が溜まっているケースもよくあります。 なるべく避けて走りたいですが、どうしても踏まなくてはならない場合にはスピードを落としましょう。衝撃やパンクのリスクを減らせます。
・起伏:穴とは逆に道路がボコッと盛り上がっていることがあります。やはりスピードを落として進みましょう。
・車線の消失:道路の車線がかなり雑なケースがあります。周りの車をよく観察し、十分に注意しましょう。パニックにならないことが一番重要です。
・岩、石、砂利:岩や石はパンクが怖く、砂利はスリップが怖いです。岩や石は避けて通り、砂利道ではカーブの際には緩やかに曲がりましょう。車体を倒し過ぎるとタイヤが道路をグリップしないので危険です。
・水溜まり:思った以上に深かったり、穴が開いていたりします。ゆっくり進みましょう。
・土の道路:注意しなければならないのは雨の日と、雨の次の日です。土は泥に変わり、タイヤに絡みついてきます。迂回できるのならそれがベストですが、無理なようなら上手く土の固い部分を探して進みましょう。
※番外編(こちらは道路に関してではないのですが、実際の運転において注意して欲しい点です)
・ホコリ:砂埃や虫対策にバイクで走る際にはサングラスをオススメします。日本より日差しが強い場所や開けている場所では日差しからも守ってくれます。
・ロータリー(ラウンドアバウト):これは交差点の一種なのですが、信号がありません。日本にも存在するらしいのですが、僕は出会ったことがありません。中心に島があり、それを一方通行で周ることで曲がったり直進、Uターンすることができます。ラウンド内にいる車が最優先です。出会って混乱する前に予めしらべておきましょう。
文化の違い
世界には様々な文化がありますが、それは道路の上でも同じです。周りを運転している人たちは皆日本人ではありません。クラクションが鳴りやまない国もあれば、車よりもバイクの方が走っている国もあります。常に「日本だったらこうだけ、この国では……?」という疑いの気持ちを持って運転してください。
何が日本と違うのかいくつか具体例を挙げて説明します。
・クラクション:日本ではめったに使われないクラクションですが、国によってはブレーキより使います。特に意味なく押している場合もありますが、意味のある場合もあります。例えば、「今から追い越すからね!急ハンドルとか切るなよ!」、「後ろにいるよ!急ブレーキとかやめてよ!」、「ちょっと道開けて!そこ通りたい!」などです。基本的には自分がいることを知らせる目的で使われます。なのでクラクションを鳴らされたからといって、煽られたと興奮する必要は全くありません。
・車間距離:これがめちゃくちゃ近い国がたまにあります。バイク(時には人)を通したくないがために車間距離を近づけているケースもありますが、ただ単に空いているスペースは埋めるという感覚で近づけていたりします。
車道を徒歩で渡るのが当たり前という国は割とありますが、その際に人が多いと車は止まらざるを得ません。それを嫌って特にタクシーはきりきりに車間距離をつめています(ただただせっかちなだけという説もありますが)。
自分が運転している時には真似する必要はありません。ほどほどくらいで大丈夫です。車間距離を詰めないからと言って事故になったりはしません。ただし、あまりに開けすぎていると後ろから無理に抜こうとしてくることがあって危険です。
・赤信号:信じられないかもしれませんが自動車が赤信号を厳守しないケースがあります。左折の際は(右側通行なら右折)赤信号でも曲がって良かったり、当たり前のように信号無視していたりと様々なケースがありますが、これは自動車やバイク側に限ったことではありません。
逆に歩行者の方が赤でも道路を渡り、真ん中の車線の上で車が過ぎ去るのを待っていたもします。歩行者にも十分に注意しましょう。
・自転車:日本のような自転車天国な国は少数派ですが、僕が注意を促したいのはロードバイクです。一体何キロ出てるんだ……というぐらい早いロードバイクはたまに日本でも見かけますが、アグレッシブなタイプに気を付けてください。かなりゴリゴリ寄せてきたり、車道を走ったりしているケースは追い越そうとせずに距離を取ってもいいと思います。
・譲り合い:ここが一番難しいのかなと思います。できればあまり親切に譲らない方がいいと思います。その国の交通ルールも良く知らないで譲るよりも、ちゃっちゃと行ってしまった方がお互いのためだと思っています。譲った先が地獄だった場合申し訳が立ちません。逆に無理に体をねじ込んでくるようなら素直に引きましょう。戦わないことが事故らない秘訣の1つです。
最後に
まとめますと、
・運転をする前にまずルールの確認をすること
・道路の危険はスピードを出さなければ回避しやすい
・異国の地では戦わない
「こんなに注意することがあるならやめようかな」とはならないで頂きたいです。繰り返しになりますが、異国の地でのドライブは最高なんです。ぜひ皆さんにもこの解放感を味わって頂ければ幸いです。
ちなみにですが、万が一事故にあったり、乗り物が壊れたとしても僕は「おいしい」と思うようにしています。僕は車1台バイク2台を壊し、2度事故に合っていますが今や笑い話です。その時はもちろん焦りましたが心のどこかで「おいしい話のネタになる」と思っていました。もちろん何もないことが一番ですが、トラブルをあまりネガティブに捉えすぎずポジティブにドライブを楽しんで頂ければと思います。
そして万が一に備えておくことも忘れないようにしましょう。もし怪我をして病院に行くことになった場合、笑い話では済まない額の治療費がかかってきます。
高額な海外保険に加入する必要はないとは思いますが、せめてクレジットカードの付帯保険くらいは欲しいところです。
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僕の運転に関する失敗談も記事にしてあるので下に置いておきます。最後まで読んで頂きありがとうございました!