日本人宿VS欧米人宿【比較】

旅のノウハウ・etc

 日本人宿という存在をご存じでしょうか。僕は海外を旅し始めるまではそんなものが存在するなんて全く知りませんでした。海外にはほとんど外国人しかいなくて、英語かその国の言語が話せなければ何も出来ないとまで思っていました。

 しかし実際には日本人はどこにでもいますし、英語なんて話せなくても生活していくことができます。万が一どうしても言葉の壁で躓くことがあったら、その国にある「日本人宿」に助けを求めるのも1つの手だと思います。

 「そんなにどこにでも都合よく日本人宿なんてあるの?」

 と思われる方もいるかもしれませんが、余程ホテル需要のない場所へ行かない限りそこに日本人宿はあると思います。それくらい日本人は世界中にいます。

 「じゃあ海外に行く時は日本人宿を見つけて泊まり歩けばいいんだね!」

 それももちろんアリだと思いますが、全力でオススメはしません。その理由を日本人宿以外の施設、ここでは「欧米人宿」と呼んで2つを比較しようと思います。どちらに泊まる方が良いのか、それぞれのメリットとデメリットをご紹介していこうと思います。

日本人宿

・メリット

 日本語話せる、日本人の友達ができる、日本語の情報ノートが置いてある、

・デメリット

 海外感が薄れる、日本人社会、変人多い

メリットについて

 日本語が使えることもそうですが、宿泊者の多くが日本人であることが何よりも大きな利点です。宿によっては日本人が経営している訳でもスタッフが日本人な訳でもないのに、何故か日本人宿ということになっている宿があります。そういうケースはたとえ日本人宿であっても宿側の人間は日本語を話せませんが、宿泊客が日本人なので何かあったときには助けてもらえます。外国の地で日本人と出会うと、自然と会話は弾み、話題も尽きません。日本にいる時よりも友達を作りやすい環境だと思います。宿の共有スペースや外の屋台で一晩かけてお互いの旅を共有し合うのも醍醐味です。

 そして日本人宿には「情報ノート」というものが存在していることが多いです。今でこそインターネットが普及し、欲しい情報は全てネットで手に入る時代ですが、それでもローカルのニッチな情報を全て網羅しているわけではありません。情報ノートには地元のバスの乗り方や、タクシーの料金、バスの手配の仕方からオススメのご飯屋さんまで様々な情報が書いてあります。先人たちの生情報は貴重で興味深く、そこには旅人たちの息づかいが感じられます。

デメリットについて

 海外に旅行に来ているということは、少なからず異文化に触れたり体験したいという気持ちがあるはずです。日本人宿と言っても色々ですが、極端な場合そこは日本よりも日本社会だったりします。長期で日本人宿に滞在し、日本人たちと一緒に行動していると段々と海外にいる感覚が薄れてきます。それらが悪いというわけではありませんが、外国を感じたいのならばたまには欧米人宿を選んでみるのも悪くないと思います。

 そこには日本人がいますが、皆少し変人です。海外にいる日本人は短期旅行者以外は皆変人です。デメリットに入れるか迷ったのですが、ここで言う変人とは悪い意味だけではありません。日本の常識に囚われていない人たちが多く、少し変わった考え方の人たちが集まりがちです。それをおもしろいと思えるかどうかでここがデメリットかメリットかは変わってくると思います。

欧米人宿

・メリット

 英語話せる、外国人の友達ができる、日本人コミュニティ外の情報が手に入る

・デメリット

 全て英語(または現地語)、日本的な常識は存在しない、

メリットについて

 外国人の友達を作りたいという旅行者、旅人は多いのではないでしょうか。日本人宿にも宿によっては日本人以外も泊まりに来ますが、ほとんどいないことが普通です。宿によっては日本人以外は断っているところさえあります。欧米人宿には世界中から旅行者が泊まりにきますし、大抵みんなフレンドリーです。

 どの国の人と話すにも基本的に英語なので、英語を使いたい話したいという人にはピッタリです。彼らは日本人の知らない情報や観光地を知っていたりしますが、逆に日本人から人気な観光地を知らなかったりします。以前インドネシアの宿で一緒になったサウジアラビア人が、インドネシア最大の観光地の1つである仏教寺院のボロブドゥールを知らなかったのには驚きました。宗教が違うからでしょうか、写真まで見せましたが首を捻っていました。彼はバリ島のビーチにしか興味がなく、出身国によって旅行先のメインになる観光地は大きく左右されることを知りました。

デメリットについて

 全てが英語です。ごく稀に日本語で対応してくれる場所もありますが、期待しない方がいいです。別に宿泊するだけなら特に難しいことはありませんが、友達を作るとなると割とペラペラ話せる必要があります(特に男性は……)。片言でも親切に対応はしてくれますが、一晩朝まで語り尽くしたいのであればもう勉強あるのみです。

 日本人の常識は通用しません。深夜にドミトリーの電気をつけてぺちゃくちゃ話し始めたり、朝の目覚ましを無限に鳴らしていたり、イヤフォン無しで動画を見ていたり、何かと「マジかよ……」な状況に出会うことがあると思います。日本に居たら注意するようなことでも欧米人宿だと「文化の違い」として片付けなくてはいけない場面があります。

最後に

 僕はどちらの宿も試すことをオススメします。たまにどちらか片方しか絶対行かないというスタンスで旅をしている人たちも見かけますが、僕はどちらも行くのでどちらの人たちとも知り合えます。2つを比較した上で、好きな方に泊まる比重を傾けるのが得策かと思います。特に最後に「欧米人宿に泊まるデメリット」で英語が話せないと厳しいというようなことを書きましたが、僕は英語弱者ですが泊まるのはほぼ欧米人宿です。1人でやりたいことをしたり、彼らが騒いでいるのを眺めていたり、時々それに混ぜてもらったりしています。英語をベラベラ話して友達を作りまくっているわけではありません。つまり何が言いたいのかというと、自分が居心地が良いと思えるならデメリットは逆にメリットに変わるということです。最高の宿は人それぞれなので正解は自分にしか分かりません。

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