海外旅行で気を付けたいトラブルの1つが盗難です。日本であれば何かを忘れてしまったり落としてしまっても、交番や忘れ物センターのような施設に届いていることは珍しくありませんが、外国ではそうはいきません。
むしろ外国人である我々は積極的に狙われていると思っていた方がいいでしょう。日本人が特にカモだと認識されやすいというようなことはどこかで聞いたことがあるかもしれません。それが本当か否かは置いておいても、日本の治安が良すぎるが故にそういった盗難に対する危機意識が低いことは確かだと思います。
せっかく楽しみに準備していたモノや貯金していたお金が盗まれるという事態は旅行そのものを台無しにしてしまう可能性があり、実際に旅を途中で諦めざるを得ないという人もたくさん見てきました。
旅をして5年が経ち、そこそこ物騒なエリアにも足を運んだことがありますが僕はほとんど盗難に遭ったことがありません。盗難に遭わないそのコツを先に述べておくと、それはズバリ「リスク管理」が全てです。今回はその「リスク管理」の具体的な方法についてご紹介します。
準備の方法
この段階でかなり損をする人が多いので注意しましょう。考えるべきことはリスクの削減です。
基本的に海外に行く際には無駄なモノは一切持って行かないことを心がけますが、旅慣れていないとその判別は中々難しいです。なので考えるべきは盗まれたり失くしたりしたら悲しい物は持って行かないことです。多くの場合それらは大切で肌身離さず持っておきたいモノだと思いますが、旅行の時は諦めて家に置いて行きましょう。
お財布も高価なものであれば置いて行きます。安くて思い入れのない財布を買って持っていきましょう。気に入らなければ旅行先でお土産がてらに現地のお財布を買い、中身を移すのもありだと思います。
そして持っていくお財布の中身ですが、クレジットカード1、2枚と現金のみにしましょう。他には何もいりません。外国でTポイントカードやスイカは使えません。それらは日本では便利でも外国では無価値です。
余談ですが、「何枚も持って行った方が良い。数で勝負だ」という不思議なことを言う人がいます。本当にそうでしょうか?「5、6枚は必須!」とか謳っていたりします。
リスクを削減するために同じ場所にクレジットカードは保管できないため、バックパックに1枚、小さなバックに1枚入れたとして5枚も6枚もどこにしまうのでしょう。靴底とかにしかけておくのでしょうか……。
話が逸れましたが、僕の管理方法は日本に置いておくクレジットカードを2枚スマホで写真に撮っておき、さらにもう2枚は番号をメモしておきます。その画像とメモはメール、クラウドにそれぞれバックアップしています。もし財布を盗られたとしても、クレジットカードの番号さえ分かれば航空券を買うことができます。最後の懐刀としてクレカの番号だけは控えておきましょう。
たとえ身ぐるみを剥がされたとしてもパソコンさえどこかで貸してもらえれば、自分のG-mailやクラウドにアクセスし、そこに保存した写真やメモからクレジットカードの番号を確認して航空券を買うことができます。
※クレジットカードを画像で管理するのに抵抗がある場合は、番号をメモに写し取って自分なりに暗号化して保存してください。暗記ができればベストなんですが中々難しいと思います。
クレジットカードについてはコチラで説明しているのでどうぞ↓↓
極論ですが旅行には服すらも持っていく必要はないのです。ほぼ全ての物は現地で揃えることが出来る上に、揃えたものは全てそのままお土産にすることができます。繰り返しになりますが、くれぐれも大切なモノ、そして日本で使っている財布の中身そのまま持って行かないように気を付けましょう。
もしドミトリーなどの安宿に泊まる予定のある人は、暗証番号付きの南京錠とチェーンの自転車の鍵(コチラも暗証番号のもの)を持っていくことをオススメします。南京錠はロッカーに、チェーンはバックパックを自分のベッドや電車の網棚などに括り付けるのに便利です。
僕はいつもこんな感じの暗証番号付きの鍵をバックパックに括り付けています。暗証番号付きならなんでもOKです。
価格:1,480円 |
南京錠はこんな感じのを2つ持って行っています。コレじゃなきゃダメとかは特にないですが、防犯用品なので100均のものは避けています。
TSAロック 南京錠 ダイヤルロック TSA 南京錠 鍵 4桁 ワイヤー 定形外 価格:840円 |
長期旅行の方は多くの場合、バックパックそのものが一番高価な持ち物になり得ますので守りましょう。暗証番号である理由は、鍵だと失くすからです。
携帯の方法
現地のホテルにチェックインした後は小さなバッグが必須になってきます。スーツケースやバックパックで観光したい人には必要ありませんが、多くの人は身軽であることを好みます。「身軽大好き!日本ではいつも手ぶらだよ!」という人でも海外では小さなバッグを持つことをオススメします。
具体的にどれくらい小さなものかと言うと、自分の財布とスマートフォンが入るくらいのものであれば十分です。ガイドブックやカメラ、パソコンやタンブラーなど自分が携帯したいものに合わせて持ってきましょう。因みに小さな暗証番号付きの南京錠でバッグをロックしておくのも有益です。
何故バッグを持つのか、それはポケットに物を入れないためです。それではポケットには何を入れれば良いのか、それは盗まれても良いものです。ティッシュや小銭、ライターやガム、ハンカチくらいなら僕は許容範囲なのでポケットに入れています。お財布を盗まれてみたいのなら、そのままお尻のポケットに入れておきましょう。
そしてそのバッグを常に携帯しておきましょう。そのバッグさえ守れば最悪他に何を盗まれても良いと思えるくらいに肌身離さず持ち歩きます。僕はシャワーを浴びる時も寝るときもバッグを持っているようにしています。
買い物をする際などにいちいちバッグから財布を取り出すのは面倒だという方にオススメな方法があります。
現地で安いお財布を買い、1日か半日分くらいの予算をそこに入れてポケットにしまう方法です。絶対盗まれてはいけない1軍のお財布はカバンの中にしまっておき、盗まれても良い2軍の財布を使いやすいポケットなどにしまっておくのです。この方法は物騒なエリアでも有効です。僕は危険のありそうな場所ではいつもダミーの使えないクレジットカードも何枚か2軍の財布に忍ばせています。
僕はほとんど盗難に遭ったことがありませんが、全くないわけではありません。
ベトナムのニャチャンというビーチでは、ベタベタしてくる客引きのお姉さんにポケットからお金を抜き取られていたことがあります。コンビニでお金がないことに気づきましたが、後の祭りでした。幸いにもその時ポケットにあったのは2軍の財布だったので、クレジットカードや大金は無事でした。
管理の方法
まずは自分の呪文を作りましょう。僕の呪文は「サイフケータイパスポート」です。
ケータイと言っているあたり世代がバレそうですが、冗談でなくこれはとても重要なことなのです。何を言っているのかというと、絶対に失くしたくないものリストです。
ちなみに僕の呪文は失くしたくない順になっています。席を立つ際には毎回必ず唱えましょう。忘れ物に寛容すぎる国を祖国に持つ我々にはこの辺りの危機意識が低く、残念ながら世界には持ち主の手を離れた瞬間にそれはもう自分のものだと認識している不届き者がたくさんいます。
以前カンボジアの道路でバイクを走らせている人が財布を落とし、後ろを走っていた人がそれを拾いました。僕は信号待ちをしながらその光景を微笑ましく眺めていたのですが、財布を拾った人はそれをポケットに入れてそのまま知らん顔で走って行ってしまいました。
つまり、モノをそこに忘れたらもう終わりなのです。呪文を唱えることで自分のミスを減らし、さらにゲームで言うセーブポイントを作ることもできます。どういうことかというと、モノを無くしたと気づいたときに「あそこのレストランで私は呪文を唱えた」と記憶にあれば、もしかしたら忘れ物を辿れるかもしれません。ところが何にも覚えていないと、その記憶の手がかりはゼロになります。
もう1つ、決して机の上にスマホや財布を置かないでください。レストランやカフェの席に座った時、ポケットにスマホがあるとつい邪魔でテーブルに置きがちですがカバンか手に持っていましょう。めちゃくちゃ狙われやすいですし、僕自身一度ある手口でやられたことがあります。マレーシアでの体験談がありますので下に貼っておきます。
最後に
言うまでもなく旅や旅行は楽しいもので、素晴らしい体験です。そこに負の思い出を添える必要はほとんどの人には必要ないと思います。削減できるリスクはなるべく切り捨て、思い切り異国の地を楽しみましょう。そして、どうしても自分の呪文が思いつかない方には、ここまで読んでくれたお礼として僕の「サイフケータイパスポート」の呪文を差し上げます。唱えただけで満足せずに実際に全部あるかの確認をお忘れないように。