ヨルダンのペトラ遺跡をご存知でしょうか。インディージョーンズの舞台にもなったことでも有名な歴史ある遺跡です。紀元前から栄えており、商人たちの中継地点、要塞といった重要な役割を担っていた場所です。ナバテア人が王国を築いた地ということで、ほとんどの遺跡は彼らが造り上げたものだそうです。僕はこの遺跡が大好きで、旅至上トップ３に入るお気に入りの観光地です。今回は誤解されがちなペトラ遺跡の楽しみ方と、何が最高なのかをご紹介しようと思います。
ペトラ遺跡の楽しみ方
意外なことに、ここペトラはあまり日本人の旅人からの人気が少ない印象です。口コミでも割と辛辣な評価が見られたりします。彼らの言い分のとしては「思ったほどではない」、「遺跡がそんなに響かなかった」、「歩き疲れた」というものが多く、僕が実際に出会った旅行者も同じようなことを言う人がいました。ヨルダンに来る人たちはエジプト観光を終えている方々が多く、そのエジプトの遺跡たちに比べてしまうとあまり……という人もいました。
しかし僕に言わせればそれはペトラ遺跡の楽しみ方を間違えていただけに過ぎず、もう一度正しい方法と認識で観光してもらえればきっとその意見は変わると思っています。ペトラ遺跡の楽しみ方は少し他の遺跡たちとニュアンスが違うため、ズレた認識で臨むと確かにガッカリする結果になりかねないと思います。まず1つ知っておかなければならないことがあります。
それは「ペトラ遺跡はハイキングである」ということです。
もしあなたがただただ遺跡を眺めに来ただけ、有名だからとりあえず観光しておくかというメンタルでペトラ遺跡へやってくると、確かに結果的につまらないなという風になってしまうかもしれません。違うんです。ここペトラ遺跡を本当に楽しもうとするなら、ハイキング、山登りがメインになることを知っておく必要があると思います。思っている以上に歩いたり登ったりする場所であることを前提に準備をしておいて損はないです。
僕はペトラ遺跡がそこまで響いてない人たちの主な理由は「疲れ」だと思っています。ペトラ遺跡の予想外の規模に歩き疲れ、へとへとになり、その結果として「つまらない」となってしまうのです。そして本当に辿り着くべき場所まで辿り着けない、またはボロボロのメンタルで行きつき楽しめないのです。
これからペトラ遺跡へ行く方は是非、「そこそこの山登りをするんだ」くらいの気持ちで観光することをオススメします。ちなみにですが、そこまで歩き回りたくないという方でも実はぼちぼち楽しめます。一番人気の遺跡まではそこまで歩かなくても辿り着けます。動物や馬車に乗るという手もあります。
ペトラ遺跡が最高な理由４
1.圧倒的なシクが最高
エントランスを抜けてしばらく歩くと、その先には自然界のエントランスとでもいうべき巨大な岩の通路が立ちはだかります。この通路をシクと呼ぶのですが、両側にそびえる自然の生み出した巨大な塊を見上げていると、自分がとってもちっぽけに思えてくるほど荘厳です。しかし道の真ん中でこの美しい岩々に見惚れることはオススメしません。なぜなら馬車が頻繁に、しかも割と飛ばして走ってくるからです。道によってはかなり細くなっている場合もあり、こちらが気を付ける必要があります。
両側の岩はただそびえているわけではありません。上の写真でも確認できますが、岩には水路が施された跡があります。ナバテア人は水の扱いに長けており、水路やダムなどのシステムを作っていたそうです。
2.大迫力の遺跡が最高
迫力満点の遺跡群には圧倒されます。これらの岩をくりぬいて作られた住居にはベドウィンと呼ばれる遊牧民が近年まで実際に住んでいたそうです。因みに基本的にこれらは登って中に入ることができます。階段の踊り場や日陰でお土産を広げている商売人たちもいます。
有名なのは「エル・カズネ(エル・ハズネ)」という岩肌を彫って作られた遺跡です。ガイドたちが抜け道を教えてやるからついて来いと声をかけてきますが、辺りを見回せば自力で見つけることができます。(写真は次の「動物が可愛くて最高」にあります)
ローマ支配下で造られたとされる「ローマ円形劇場」ものこっています。当時のローマの強大さと彼らの演劇好きが知れます。
「デイル」という修道院の遺跡も人気なのですが、ここまでの道のりがガッツリ山登りです。しかし来る価値は十二分にあると思います。歩くのがきつければロバに乗るのも一つの手です。彼らは山道も人を乗せて登っていくことができます。
このデイルまでの道のりは振り返るたびに絶景の連続なのですが、さらに先へと足を踏み入れるとさらにえげつない絶景に出会うことができます。 ここまで登り切ってしまえば道のりはなだらかになるので、是非もう少しだけ先へ進んでみることをオススメします。
3.動物が可愛くて最高
ペトラ遺跡にはたくさんの動物たちがいます。ラクダやロバ、羊やヤギに猫や犬もいます。特に僕ら日本人からするとラクダは中々珍しい存在です。僕は初めて彼らに出会ったわけではありませんでしたが、思わずじっくり観察してしまいました。
ドンキー(ロバ)たちもめちゃくちゃ可愛いです。遺跡の色んな場所でウロウロしながら草を食べています。たまにどこか何匹と連れ立って歩いている様子を見かけますが、目的地があるのかは不明です。
ある程度山を登って高い場所まで行くと羊やヤギたちの姿を見かけます。見ているだけで暑そうですが、案外夜は冷えたのでちょうど良いのかもしれません。
4.壮大な絶景が最高
意外と知られていないですが、ペトラ遺跡には想像を絶するような絶景スポットがいくつもあります。僕のオススメは「デイル」の先にあるスポットです。デイルを見学した後に行くことができますし、他の絶景スポットよりも高い位置から辺りを見渡せる場所だからです。
ペトラの絶景スポットを巡る良い点の1つは、振り返ればいつでも素晴らしい景色が待っている点です。少し登ることに疲れたら腰を下ろし、今まで歩いてきた道をゆっくり眺めるのも悪くありません。
そして人気のルートはどこまで行っても一定の間隔でお土産屋さんがあります。少し割高にはなりますが、そこでは冷たい飲み物を買うこともできます。ここまで運んできてくれたことを考えれば多少割高でもそんなに高いとは思いません。そして眼下の景色と飲むコーラはめちゃくちゃ美味しいのです。
中々僕の撮影スキルではこの絶景の素晴らしさを伝えることができなくてもどかしい気持ちですが、間違いなく今までで最高の景色の1つになると思います。僕は何の情報もなく適当に、良いものがあるかどうかも半信半疑で登り続けましたが、結果としてめちゃくちゃ良いものを見ることができました。歩いたは良いけどしょぼかった……という結果にならないことは断言できます。
