【命の危機】旅人に聞いた3つのハンズアップ案件

旅のノウハウ・etc

 長年外国を放浪していますが、銃を突きつけられたことはまだありません。

 しかしながら、銃を突きつけられ経験を持つ旅人には何人か出会ったことがあります。みんな飄々とその時の話を聞かせて てくれましたが、聞いているこっちが身震いするような体験談でした。

 今回はそんな彼らの恐怖体験を3つ紹介します。

 

【コロンビア】青年強盗

 銃を突きつけられた系の話で僕が一番震え上がった話です。

 彼は3年かけて世界一周していたバックパッカーで、南米に辿り着いたのは旅を始めて2年目ということでした。つまり既に割と旅慣れており、命の危険とまではいかずともある程度の修羅場は経験してきたということでした。そして南米で最恐の試練に出くわすのでした。

 彼は夕方、コロンビアのメデジンを散策し終わって宿に帰る途中でした。太陽が傾き始めており、暗くなる前に帰ろうと帰路についたそうです。

 スマホを片手にグーグルマップを開いて歩いていると、ふと背後に気配がして振り向いたのですが誰もおらず。気持ち悪く感じて後ろを気にしながら早足でサッサと歩き始めました。

 角を曲がると出会い頭に服を掴まれたのだそうです。

 最初は後ろからつけられていたけれど、どこからか前に回り込まれていたのだと彼は言っていました。腰に挟まった銃をチラリと見せられて、無言で全ての貴重品を渡したそうです。

 彼からこの話を聴いたのは2015年のことでした。この後、ある事件がニュースを騒がせてその犯罪の身近さに僕は震えました。

 2016年に日本人の大学生がコロンビアのメデジンで銃殺された事件が起きたのです。殺されてしまった大学生は、奪われた物を取り返そうと犯人を追いかけたところを撃たれたそうです。同じ人物が犯人なのかは分かりませんが、たとえスリや置き引きをされたことに気がついたとしても、追いかけない方が身のためだと彼は教えてくれました。

 「相手がどんなに弱そうでヒョロそうな奴でも、犯罪者なら逆らわない方がいい。ピストル持ってたら筋肉も格闘技も意味ないんだからさ」

 僕にこの話をしてくれた旅人との会話は、異国を放浪する上で胸に刻みこんだ教訓の一つになりました。

 

【アフリカ】計画的ツアー強盗

 アフリカのどこだったかド忘れしてしまいました。

 有名な山があることは覚えているのですが、アフリカに有名な山なんてたくさんあるので思い出せませんでした。

 スリランカで出会った年配の旅行者の方から聞いた話です。

 彼はアフリカを旅行している際に、ある山に登るツアーに参加したのだとか。ツアーの内容は、ガイドと一緒に山にトレッキングに行くというシンプルなものです。しかしこれがシンプルにとても恐ろしい内容だったのです。

 彼はガイドと2人で山登りを楽しんでいました。ガイドも良い人で、互いに拙いながらも英語で楽しくコミュニケーションを取りながらの道中だったそうです。

 ある地点にまで来ると、休憩しようということになり、ガイドはトイレか何かでその場から姿を消しました。

 割と長時間待っていたのだとか。

 そしてようやく戻って来たかと思ったら、別の男だったのです。手には銃を持っていました。文字通り身包みを剥がされ、パンツ1枚という姿で山のど真ん中に放り出されたということです。

 「強盗が銃のスライドを引いて、銃口を頭に突きつけてくる一連の動作がスローモーションになったのをよく覚えている。ガチャンて音が耳にこびりついてるよ」

 そう話す彼の目の隅に恐怖の色がチラついていて、話を聞いていただけの僕までゾッとしました。

 途方に暮れていると、ガイドがのんきに戻って来て一緒に下山したのだとか。

 もちろん僕も彼と同意見だったのですが、この一連の流れは全て仕組まれていたと考えるのが自然かと思います。ツアーに参加してしまった時点で、彼は強盗されることが決定していたのです。

 

【フィリピン】古典的だが逃げ場無しの美人局(おつぼね)

 フィリピンはマニラでの出来事です。

 その旅人は今はカンボジアのプノンペンに住んでいる中年の男性で、若い時は世界中を旅していたそうです。スマホのない時代の旅人を見つけたら、ウザがられるくらいに食らいついて離さないのですが、この方は他の多くの旅人たちと同じように話好きだったので色々なことを聞けました。そのエピソードの1つが美人局の話です。

 彼がフィリピンのマニラで沈没していた時のことです。夜遊びに明け暮れて毎日朝帰りの日々を送っていた彼は、ある日痛い目を見ることになるのです。

 その日も彼はいつものように夜の街に繰り出し、仲間たちとご飯とお酒を楽しみ、女の子たちをからかって遊んでいました。しかし、その日は女の子と上手くいかず帰路についたのだそうです。

 まあそんな日もあるかと宿に向かっていると、夜道でふと声をかけられました。いわゆる立ちんぼというやつです。お酒でいい感じになっていた彼は、値段交渉もそこそこについて行ってしまったのだそうです。

 「美人局って言うのはな、万国共通なんだよ。パンツを下ろしたらやってくるんだ。どっこの国でもこのタイミングは変わらねーんだよ。パンツを下ろしたら誰だって、大統領だって心理的に勝てないんだ」

みたいなことを言っていました。

 彼の場合もパンツを下ろしていざ、というときに突入されたそうです。銃を突きつけられ、財布とパンツとズボンと盗られたそうです。パンツとズボンを盗るのは諸々の対応を遅らせるためだということです。

 彼女の部屋なのかそういうための施設なのか分かりませんが、その建物にヒト気はなく、フルチンで宿まで帰ったと言っていました。彼はガハハと笑っていましたが、修羅場のレベルが桁違いで僕も笑けてきました。

 

最後に

 日本て生活していると銃口に出会うことはまずありません。

 しかし、一部の外国ではその確率はグッと高まります。こんな体験談を臨場感たっぷりに話されると背筋が伸びる思いです。

 拙い文章力のおかげで臨場感たっぷりというわけにはいきませんが、引鉄を引かれていたらニュースになっていたかもしれない一大事です。

 紹介した3人が大事に至らずに済んだのは、一重に無抵抗であったことが全てだと思います。彼らから学び、銃を向けられたら大人しく命以外の全てを差し出しだそうと決めています。

 旅先の体験談やノウハウもたくさん書いているのでコチラのまとめからどうぞ。

 

 最後まで読んで頂きありがとうございました!

タイトルとURLをコピーしました