旅が人をたくましくする4つの理由

旅のノウハウ・etc

 そもそも旅は人をたくましくするのでしょうか?

 僕の答えはYESです。しかし、ある程度の人生経験を積んでいる人にとっては「成長」はあまりないかもしれないと思っています。

 最近旅に目覚めた50代の知り合いがいるのですが、彼なんかは既に豊富な人生経験と相当数の修羅場をくぐり抜けて生きてきた人なので、旅を大いに楽しんではいますが帰国してさらにたくましくなったとは感じません。本人も、新たな発見や感動はあるけれど、基本的にはただ純粋に旅を楽しんでいるだけだと言っていました。

 しかし若者は別です。帰国して見違えるようにたくましくなっていたり、別人かのように成長している人をたくさん見たことがあります。

 実際に何故「1人の人」が半年や1年で変わることができるのか、具体的な理由を4つと最後に僕なりの結論を紹介します。

 

不潔に慣れる

 諦念を学ぶということがポイントです。

 汚さに慣れることによって心身共にたくましくなる! というのもありますが、他の環境を受け入れる(諦める)機会は外国に行くことで得られるレア体験です。

 

 幸運なことに日本はかなり清潔な国の分類で、かなり徹底して衛生管理が行われている「方」の国です。しかし世界はそんな清潔な国ばかりではありません。

 さらに、旅が長びくと持ち物はもちろん自分自身も段々と汚くなっていきます。人によってはシャワーに毎日入らなくなり(物理的な事情などで)、服はヨレヨレ、髪は伸び、肌は焼け、髭が伸び、化粧品をかなぐり捨て、どんどんと野生化していきます。

 長期旅行者はそんな風な特徴で一発で見抜くことができます。中には綺麗な格好で旅を続ける人もいますけどね。

 

 その国が衛生的に少し劣っていること、自分が汚くなっていくことの両方とも仕方のない事です。旅をしているのですから。諦めるしかないことがたくさん出てきます。自分の国や町、家や環境なら我慢できないようなことも諦めざるを得ません。

 そういったことを受け入れることができると、諦念を学ぶことができると、1つたくましく成長できるのだと思います。

 

マイノリティに身を置く

 日本でも味わうことができますが外国のそれはレベルが違います。

 異国の地を彷徨い歩いていると、物陰にいる子供たちの好奇の目が突き刺さります。時には振り返ってまでジロジロ見られたり何かを言われたりします。もちろんその言葉が何を意味しているのかなんて分かりません。

 最初は心細く、不安と孤独を感じるかもしれません。

 僕はそんな時はいつも、自分がそこにいる一番弱い存在に思えてきたりします。

 

 そんな気持ちを抱え、それでもなんとか生き抜いて帰国するとめちゃくちゃ安心します。そしてその安心感の分だけその旅は不安を抱えていたということになります。

 その安心感(=旅中の不安感)がそのまま経験値になり人をたくましくするのだと思います。次に同じような状況に立たされた時は、過去の経験からもう不安に思うことはなく突き進むことができるでしょう。

 前回は孤独だった国境でも今回は過去の自分がいますし、現地の仲間もいるかもしれません。

 

 どんなに経験値のある旅の猛者でも、1人で新しい国に踏み出す瞬間はゼロから始まりマイノリティに飛び込んだ初心者になります。

 僕はマイノリティな環境は人をたくましくすると同時に中毒性があると思っています。孤独に身を置く独特なあのスリルは一度味わうと忘れられない経験になります。

 

人の汚さに触れる

 日本では人の汚さは見えずらくカモフラージュされています。普通に生きていると中々出会えず、クリティカルな瞬間に出くわして致命傷を負う人がいます。

 騙され慣れていないから見破れないし気付けないと言ったところでしょうか。

 旅に出れば騙されます。長く旅を続ければ続けるほど悪い奴に出遭う確率も高まり、1年も旅すれば必ず1人や2人は現れるでしょう。国によっては両手じゃきかないくらいの詐欺師やぼったくりと戦うことになると思います。

 旅人は弱者なので狙われやすいのです。1人旅は特にです。

 

 彼らの目的はお金なので、なんとかお金を奪い取ってやろうとあの手この手を仕掛けてきます。中にはそんな見え透いた手を……というものもありますが、そんな見え透いた手を使ってまで人からお金を奪おうとしているのです。

 実際に騙されてしまうこともあると思います。それが「貴重な体験でしたありがとうございました」と言えるようになるのには少し時間が必要ですが、「人は汚く人は人を騙し得る」ことを身を持って学ぶことができます。

 話だけ聞くと、そんなのに引っかかるなんてと思うようなことに自分が引っかかった時に悔しがりましょう。その悔しさは将来するはずだった前払いになるはずです。

 

人の優しさに触れる

 わざわざ海外に行かなくても簡単に手に入る経験かもしれませんが、異国の地で言葉も通じない相手に親切にしてもらえるとそれはもう嬉しいです。

 マイノリティの中で孤独に寂しくしている時や、困り果ててすがるように誰かに助けを求めた時に人の優しさに触れると思わず涙が出てきます。

 そんな経験を重ねていくうちに、今度は誰かが困っている時には自分も手を差し伸べようとか、日本に旅行に来ている外国人がいたら力になってあげようとか、そんな風なことを考えるようになると思います。

 旅は厳しさだけではなく素晴らしい体験を山ほどすることができますが、その中にある人の情けや親切が上手く言葉にできないような大切なことを教えてくれます。

 

最後に

 結論として、旅を経てたくましくなる理由は上記の経験を凝縮して経験できるからだと思っています。本来ならば年月をかけて少しずつ手に入れるような経験を旅は教えてくれます。

 自国は居心地こそ最高ですがマイノリティになることや騙されることはもちろん、他人から優しくされることすら実は中々気付くことができないのかもしれません。

 

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