【旅がテーマの小話】旅先で日本人に絡む派?絡まない派?

旅のノウハウ・etc

 今回は僕が旅をしている時に感じたり考えたりする小話、旅人の間でもたまに話題に上がる「旅先で日本人に絡むか絡まないか」についてです。

 こうするべきであるという答えや正解のない話ですが、なんだか日本人のキャラクターが垣間見れるような議論なので興味深いです。僕の体験談も含めて書いていこうと思います。

 

 旅先で旅人や宿のスタッフと雑談をしていると「日本人はどこにでもいるよね」という話題になることがあります。確かに僕もそう思います。旅を始めるまではこんなにも日本人が旅好きな人種であるということを知りませんでしたし、外国に来て間もない頃は日本人を見ると嬉しいような恥ずかしいようなくすぐったい感覚に襲われたものです。

 旅を続けて行くうちに様々な旅人たちと出会うようになり、ここ2年くらいは英語力の向上も手伝って外国人の人たちと話す機会が増えました。

 そしてある時、安宿のオーナーと雑談していてあることを言われたのです。

「日本人はなんで日本人と話さないんだ?」

 僕は一瞬考えましたがすぐに意味を理解しました。理解しましたが、それに対する適切で明快な答えを持ち合わせていませんでした。

「ああ、まあほら。知っての通り我々はシャイな生き物だからさ」

 みたいなことを言って有耶無耶に納得させようとしましたが、彼は首を捻っていました。そしてさらに言うのです。

「俺はこないだ日本人が新しく泊まりに来たから、元々泊まっていた日本人を呼んで紹介してやったんだ。2人は挨拶を交わしてからしばらく親し気におしゃべりを始めてさ、俺はいい事したなと思って邪魔しないようにしてたんだよ。でもそれが俺が見た2人の最初で最後の会話だったんだ。それから何日か2人ともここに泊まっていたのに一緒に飲みに行くこともないんだぜ?外国で同郷の人間に出会ったってのに乾杯もないのか?」

 僕はそれを聞いて「喧嘩でもしたんじゃない」と笑っていましたが、一方で他の国の人たちはどうなんだろうと興味が沸きました。

「じゃあ日本人以外だとどうなるの?例えばここはヨーロピアンが多いだろ?」

 それを聞くと彼は笑って言いました。

「俺が気を使うのはアジアンだけだよ。お前ら以外は俺が気を使わなくても勝手に仲良くなってるからな」

  

 確かに僕は同じ日本人の旅人でも積極的に日本人と絡む人と、なんだか今一つ避けている雰囲気の人がいることは感じていました。

 しかしながら、宿のスタッフ曰く「外国で同郷と出会ったら乾杯が当たり前、無視なんてありえない」つまり「同郷に出会ったら絡む」がスタンダードであるということです。

 そう言われると今度は筋道立てて反論したくなる僕。

 「外国で同郷に出会っても絡まない理由」を考えてみました。

・海外で日本を感じたくない。

・外国感、旅感が薄れる。

・気疲れする。

・変な人、合わない人だったら絡むメリットがない。

・会話が嫌い。

・日本人なんて珍しくもない。

・日本人だろうが知らない人。

・英語縛りしているから日本語話したくない。

・理由なくただ嫌。

・本当は話したい。

 人それぞれにそれぞれの理由があるのでしょうが、大まかにはこんなところでしょうか。一番最後の理由は僕自身が経験したことがあります。

 絡みたいと思っていても会話に入っていけず、そうこうしているうちに結構な時間が経ってしまい、今更話に入っていくのはなんだか不自然な気がして、寝たふりでその場をやり過ごし、かと思ったら突然「日本人ですか?」と尋ねられ、「え、ああ、はあ」とネクラ代表みたいな返ししかできず、寝たふりをしていたのが恥ずかしく、もやもやとその場が終わってしまうという悲しい状況はもう味わいたくないものです。 

 

 割と多いなと感じるのは「変な人、合わない人だったら絡むメリットがない」という地雷を避けているパターン。

 ちなみにコレを先程の安宿のオーナーに言ったら、「地雷の先には宝があるもんだ」となんだか上手いようなよく考えるとそうでもないようなことを言われました。

 僕は「地雷」もたくさん踏んできましたが、基本的に全部「この人面白れぇ……」となる幸せ野郎なのでどんな人とでも楽しめます。それでもやっぱり苦手な人はいますから、この苦手な人を避けたいという気持ちはよく理解できます。

 

 「英語縛りしているから日本語話したくない」というパターンは、ワーキングホリデーでオーストラリアとニュージーランドに行った際によく出会いました。

 正直これは邪魔しないに尽きるのでそっと離れるしかありませんが、ある程度の英語力がある人かコミュ力お化け以外にはむしろマイナス効果だと感じます。日本人コミュニティを使った方がネイティブと話す機会も英語を使う機会も増やしやすいと思います。

 

 旅を続けて行くうちに僕は「日本人を見たら絡むべき!絡まないのはネクラ!」、「日本人なんか絡んでたまるか!こちとら旅と外国に浸りたいんじゃ!」という両方の時期を経て、今では「絡みたければ絡む。全ては自分の気分次第」という感じで落ち着いて(?)います。

 冒頭でも触れましたがこれは正解のない議論なので、自分の好きなように旅、旅行をすればいいと思います。ただ1つ、ささやかな僕の願いとしては、日本人と絡まないと決めていたとしても無視は傷つくのでやめてもらいたいというのがあります。こちらも少なからず緊張と期待を持って声をかけているので、日本人から声をかけられたら優しくしてください笑。

 最後まで読んで頂きありがとうございました!

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