【タイの名珍スポット】地獄寺って知ってる?【残酷でグロテスクなオブジェの数々】

タイ編

地獄寺って?

 地獄寺とはその名の通り、地獄を表現したお寺のことです。

 タイにあるその他の寺とは一線を画す独特過ぎる作りが特徴で、基本的に誰でも中に入って見学する事ができます。

 地獄と称するだけあり、その内部はかなりカオスなことになっています。グロテスクなオブジェや恐ろしい刑罰を受けている様子が等身大のサイズで並べられています。中には巨大なオブジェや全く恐ろしさを感じないもの、可愛いものや不思議なものまで様々で、とても興味深いです。

 そしてこの地獄寺は一つではありません。タイの各地に点在しており、その数はなんと60ヶ所にものぼるのだとか。

 

 今回は実際に現地に行って撮ってきた写真を紹介し、地獄寺が作られる理由とその経緯について迫りたいと思います。

 

残酷でグロテスクなオブジェの数々

 地獄寺は観光地や街のすぐ近くにある憩いの場というわけではありません。

 人影の少ない田舎の中にポツンとあったりします。巨大なオブジェがある場合は遠目からその異様な姿を捉える事ができ、田舎の風景に似合わず不思議な光景です。

 僕が行ってきたのはタイ北部の町「チェンマイ」から行ける地獄寺です。

 

 彼らの間に立っている僕の身長が178cm、それと比べてもめちゃくちゃデカいのがお分かり頂けると思います。遠目で見ていてもすごい存在感と威圧感がありました。

 

 順番に色々と見ていきましょう。これはただただグロいやつです。

 

 鉢巻き巻いている人たちが執行人的な感じなんでしょうか。真顔でエグい事してます。

 

 やはり地獄なので煮られてしまいます。足湯なのがまた生殺しです。

 

 わけわかんない奴らもいました。罰を与える側なのか与えられた側なのか……。

  

 中でも異彩を放っていたのがこいつらです。

 

 ビール片手に罰を受ける余裕なやつ、首を締められるやつ、中途半端に吊るされるやつです。

 

 閻魔大王様ぽいのもいました。ここで刑罰が決められるんでしょうか。

 

 一つ一つを見るとただシュールなだけかもしれませんが、実際にこの空間にいるとかなり異様な雰囲気で圧倒されます。

 何より不気味なのが、人が誰もいないというところでした。僧侶もいるとは思いますが、お寺までは少し距離があったからかほとんど人を見かけませんでした。

 

地獄寺が作られる理由

 地獄寺は教育のために建てられたと言われます。

 地獄の様な空間を作り上げ、そこを見てまわることによって

「こんなところに来ては行けない。来たくない」

と思わせる事が地獄寺の目的の一つとなります。やってくると怖がって泣いてしまう子供もいるとお寺の人が言っていました。

 しかし、この地獄寺はただただ子供たちの躾のために作られたものではありません。その理由は以下の7つに大別されます。

・訓戒、教育の場とする

・罪障、高徳を理解させる、結果を知らせる

・悪行をやめさせる

・善行を促す

・悪行を恥じ、恐れさせる

・仏教の教義を視覚的にあらわす

・その他

 

 それでもやはり1番最初の「教育の場」と認識している人が多いとのことです。

 

地獄寺の作られた経緯

 地獄寺建築の歴史にはタイの「開発僧」の存在が大きいのだとか。

 「開発僧」とは経済発展のためではなく、仏教の教えを元に開発活動をする様な僧侶たちの事を指します。彼らは自発的に開発を行い、それによって社会問題の解決に努めています。その開発活動の一環として地獄寺が作られた事があるそうです。

 

 僕は地獄寺の存在を知った当初、何かのイベントか集客目的、もしくはヒマとお金を持て余した物好きの遊びかと思っていました。

 しかし実際は開発僧が学校や道路などを作っている中で地獄寺も建てており、明確な目的と意図の元に建築された事が伺えます。

 仏教思想に地獄思想は欠かす事ができない存在という事らしく、つまり地獄寺の存在は僕が当初思っていたような奇をてらったものではないということです。

 

 タイにおいて、以前の僧侶は「超俗」すべきとされていました。

 「超俗」とは自己の救済のために俗世から離れていることで、信者はその超俗した僧侶に教えを請うていました。しかし時代が変化するに連れて、それまで超俗すべきとされていた僧侶が社会問題に取り組むようになったのです。

 タイの民主化、クーデター、社会経済の発展に伴い、僧侶たちも超俗だけを求めてはいけないという思想が芽生え始めました。そう言った社会的役割を担うようになった僧侶たちが「開発僧」なのです。

 

 

 ※参考 「タイの時獄寺」【椋橋 彩香】

  

最後に

 この記事を書くにあたって参考にさせて頂いた本を置いておきます。

 

 冷やかし感覚で遊びに行った地獄寺でしたが、見て回れば回るほどに好奇心を刺激されました。

 一体これは何のためにどこの誰がいつ建てたものなんだろうと興味が湧き、ご紹介した本に出会いました。僕は一つの地獄寺にしか行っていませんが、他のたくさんの地獄寺も写真付きで紹介していて面白かったです。

 

 地獄寺は各地に点在しているので、現地の人に場所を聞いてバイクで行くのがオススメです。田舎すぎるとバスもまともに通っていないので、僕は原付で地獄寺ツーリングしました。

 

 最後まで読んで頂きありがとうございました!

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