海外を放浪しているとたくさんの出会いがあります。
旅を始めたばかりの頃は日本人宿によく泊まっていたので、日本人の友達や知り合いがたくさん増えました。日本人宿は精神的な疲れを癒したり、旅の情報交換をしたりととても有益な場所です。
しかし、海外放浪が長期化してくると日本人宿には月に一回泊まるかとまらないか、そして半年に一度泊まるか泊まらないかという感じになっていきました。それは外国にいても精神的に疲労するということがなくなり、旅の情報量も十分身につき、より強い刺激を求めて環境を変化させたからだと思います。
今度は外国人の知り合いや友達ができるようになり始め、中々パンチの効いた旅人にもたくさん出会うようになりました。今回は中でもインパクトの強かったインドで出会った外国人の旅人たちを3人ピックアップして紹介しようと思います。
インド人から大人気の巨大なおじいちゃん旅人
タイトルの通りなのですが、めちゃくちゃデカイおじいちゃんのバックパッカーとある安宿で知り合いました。
197センチだか198センチのオランダ人のおじいちゃんだったのですが、とにかく目立っていました。背が高いだけではなく、ガタイもしっかりしており、筋肉隆々でまさに巨人という感じでした。白髪の長髪を後ろで結んでおり、白いヒゲは口元を完全に隠していました。
これだけ聞くとかなり怖そうな感じなのですが、目と性格は優しく、ドミトリー(相部屋)で隣のベッドに寝ていた僕によく話しかけてくれました。
今はもうリタイアしていますが、以前は不動産の仕事をイギリスでしていたのだとか。僕も不動産営業の仕事をしていたことがあったので、不動産の話から仲良くなって色々な話をしました。
今は独身だけれど、結婚は2回したとウインクしていました。離婚後の方が元嫁たちとは良い関係が築けているんだと話しており、彼女もいない僕にしきりに離婚を勧めてきました。
大柄ゆえにインドのどこにいても目立つ彼は、インド人たちから大人気でした。町中やレストランで話しかけられたり微笑まれたりしており、彼もそれを楽しんでいるようでした。
いつも現地で仲良くなった友達の家に泊まっているそうで、ここ1ヶ月で10回は結婚式に呼ばれたと話していました。誰の結婚式かも分からないのに、毎回スピーチを頼まれるんだとか。
まさかの欧米人サドゥー
インドにはサドゥーと呼ばれる仙人のような人たちがいます。
サドゥーは人々から尊敬されていますが、すごいサドゥーはもっと尊敬されています。何を持ってすごいのかは僕はあまり詳しくないのですが、宿のスタッフに一度尋ねたことがあります。
「〜山で修行しているサドゥーは本当にすごいんだ」
「ふーん。すごいっていうのは実際に何がすごいの? ずっと食べ物食べないサドゥーとか、太陽を見続けて視力失うサドゥーとか色々いるけど、要は修行が過酷かどうかってことなの?」
「いや、そのサドゥーは頭でココナッツを割るんだ」
「す、すごい……」
”すごい”の内容が僕の思っていたのと違かったのですが、確かにすごいです。
そのサドゥーはインド語で”ココナッツ仙人”と呼ばれているとのことで、月一くらいで町に下山してくるのだそうです。僕はせっかくだからと、そのサドゥーが降りてくるという日を一週間ほどその町で待っていました。
そしていざ当日になって、ある民家にやってきたと宿のスタッフが僕に教えてくれました。案内されるままについていくと、その家の周りは人だかりになっていました。みんなと一緒に窓から家の中を覗くと、全身灰で真っ白で腰まであろうかという長いドレッドヘアのサドゥーの後ろ姿が見えました。
今からココナッツを割るのだということでワクワクして見物していました。
家族がサドゥーの前に真面目な顔をして座っており、サドゥーの周りにはココナッツがいくつか置いてありました。サドゥーは何かをぶつぶつ言ったかと思うと、すごい勢いでココナッツを頭にぶつけ始めました。3、4個割ると家から出てきたのですが、確かに”すごい”としか言いようがありませんでした。
宿のスタッフがヒンディー語で何かをサドゥーに言って僕に合わせてくれました。そこで気がついたのですが、彼は青い目をしていたのです。
「どこ出身なの?」と尋ねると、デンマークと言うことで、バックパッカーをしていてインドにハマってしまったのだと言っていました。そう、彼は元々は旅人だったのです。すぐに他の人たちに取り囲まれてそれ以上は話ができませんでしたが、色々と衝撃的な1日で、一週間待ったかいがありました。
不思議なカップルバックパッカー
カップルで旅をしているバックパッカーというのはとても多いです。
僕の体感ですが、アジア人は一人旅が多いですが欧米人は2人以上で旅をしている人が多いように感じます。特にカップルはすごく多いように感じます。
色々な旅カップルを見てきましたが、インドで出会ったあるカップルが相当に変わっていたので紹介します。
宿の共有スペース(リビングのようなところ)でのんびりしていると、どこからきたんだと男の人に尋ねられました。彼はドイツ出身のバックパッカーで、今は旅で出会った彼女と一緒に行動しているのだということでした。
旅の話をしていると、彼女がやって来て合流しました。その時なんとなーくですが違和感を覚えました。
その違和感の正体に気がつけないまま彼と会話を続けていましたが、彼女は本を開いて僕らの会話には入って来ませんでした。しばらくして僕はお腹が空いたので近くの食堂に行くと言って席を立ちました。
次の日、また彼と共有スペースで話している時に彼女のことを質問してみました。
「どこ出身なの?」
「彼女はウクライナ出身だよ。美人だろ?」
確かにめちゃくちゃ美人でモデルみたいでした。
「でもちょっと問題があってね、英語が話せないんだよね」
そして彼がウクライナ語を話せるわけでも彼女がドイツ語を話せるわけでもないと言います。つまり言葉による意思疎通は取れない、取っていないと言うのです!
僕は思いました。『ああ、出会って数週間とかそこらの関係か。旅中だけの旅カノ旅カレ的なやつか』
彼はそんな僕の心中を察してか言いました。
「僕らは付き合って一年なんだ。多分今年プロポーズする」
2人は互いの共通言語を学ぶ気はないのだそうです。話さない方が上手くいくのだということで、めちゃくちゃ興味深かったです。今2人がどうなっているのかはわからないのですが、僕は初めて他人のカップルを応援した気持ちでした。
最後に
旅人を紹介する記事は他にもまとめています。人気のあった記事を一つ置いておくので、暇つぶしにどうぞ↓↓。
最後まで読んで頂きありがとうございました!