エジプトのカイロにある考古学博物館へ行って来ました。この博物館にはおよそ20万点にもおよぶ宝物たちが貯蔵されているとのことで、期待感が高まります。実はこのエジプト考古学博物館は2020年にはカイロからピラミッドのあるエリア、ギザへと移転することが決まっています。全ての貯蔵品を移動させるということで、中々大規模な引っ越し作業となりそうですね。
開館時間は9時ということで、ほぼ開館と同時にくらいに着きましたがすでにものすごい混みようです。朝早く来てずっと並んでいる人たちもいたようですね。 セキュリティチェックもあるので結構待たされました 。入館料+ミイラ室料で300エジプトポンド、そしてカメラの撮影料で50エジプトポンド、合計350エジプトポンド(2,300円くらい)でした。
館内は2階建てになっており、展示物が所狭しと並んでいます。じっくり丁寧に見て周ろうとすると丸一日かかりそうなほどの展示数です。それでもまだなおお宝の量が多すぎるため、そのほとんどを展示しきれているわけではないのだとか。こんなに広いのにまだまだ展示物があるなんて!
展示物は彫像や棺、文章や埋葬品、石板やマスク、ミイラなど多岐にわたります。色が残っているものや、表情がくっきりとわかるものなどは保存状態が良いモノたちなんだとか。5,000年も前の文明のものがこんなんにもしっかりと残っているなんて、全てが奇跡の品々です。中でも僕はエジプトの象形文字、たくさんのヒエログリフに目を奪われていました。
これらの可愛い文字と絵はいつまで眺めていても全然飽きません。何かの塗料で描かれているものから石や木に彫られているものまで様々でした。そして結構色がくっきりと残っているものたちがたくさんありました。ピラミッドや洞窟の中で保存されていれば何千年も色あせないものなんでしょうか……。
中にはユニークなものもありました。古代エジプトの芸術家たちの感性はとても興味深いですね。王様や神官などの偉い人たちに細かく姿かたちを教えられて描いたのでしょうか、それとも自分の想像力だけで描いたのでしょうか。どちらにしてもとても良いセンスを感じます。
日本では大人気のメジェド様も発見できました(多分)。エジプトの神様がスポットライトを浴びていたときにその姿かたちから一躍有名になったメジェド様ですが、エジプトでの知名度はかなり低いそうです。それにしても目からビームを出すというのは本当なんでしょか……。
中にはかなり巨大なものもあり、柱や石像、石板など、かなり綺麗に残っているものがありました。そしてそれらは特になんの仕切りもない場所に設置してあり、触れようと思ったら簡単に触れてしまえる距離で見学できるのです。もうちょと仕切った方がいいのではないかと逆にこっちが不安になるくらいです。2階の一部のスペースでは何やら土ぼこりを被った品々を磨いたりレンズでじっくり鑑定?のようなことをしている人たちがいました。興味津々で見ていたら、あっちに行けと追い払われてしまいましたが、恐らく展示しきれていないお宝たちの一部なのだと思います。
特に見学のルートがあるわけではなく、中に入ったら自由に見て周れます。そして一部撮影が禁止(ツタンカーメンのマスクなど)されているところがありますが、基本的に撮っても大丈夫です。カメラは別料金で支払わなければならないということなんですが、僕の場合はチケットを買うときに何も言わなくても強制的に買わされていました。
それから別途で料金がかかるのはミイラ室(撮影禁止)です。僕は是非このミイラ室の見学をオススメします。先程も述べましたが5,000年も前の文明の人間を見ることができるのです。しかもその保存状態の素晴らしいこと!ミイラの技術には凄まじいものを感じました。彼ら(彼女ら)は僕が思っていたより数倍も生生しくガラスケースの中に横たわっています。まつ毛の一本一本、歯や筋肉の筋、表情までもなんとなく見て取れるものもありました。180エジプトポンドです。確かにそんなに安い金額ではありませんが、見る価値は十二分にあると思います。
僕が今までで行った中でダントツ一位の博物館でした。エジプトの神秘を感じられ、好奇心をより一層掻き立てられた一日でした。このエジプト考古学博物館をきっかけに僕の遺跡見学へのモチベーションに火がつき、柄にもなくかなりガツガツとエジプト観光をすることになるのです。アジアの遺跡群でもう遺跡は飽き飽き、エジプトではシーシャでも吸ってのんびりしていようかと思っていたのですが、結局スーダン国境前のアルシンベル神殿までしっかりと観光することになりました。
ではでは