エジプトのアスワンという町に来ています。有名な「アブシンベル神殿」へ日帰りで行けるということで旅行者が集まります。アブシンベル神殿についてはコチラをどうぞ。今回は割とスルーされがちな「イシス神殿」についてご紹介していこうと思います。この神殿、名前の通り女神イシスを祭っている場所なのですが、他の遺跡とは雰囲気が少し違います。ナイル川にポツンと浮かんでおり、アスワンの街並みからは切り離された小島の遺跡です。ヒエログリフや絵画たちはライトアップされて綺麗に照らしだされおり、 神殿内は洗練された神秘的な空気が漂っています。スルーされやすいのには理由があります。少し行きにくい場所にあり、ボートを使わないとたどり着けない上に個人ではそのボートの価格交渉が難しいのです。しかしそれでも行く価値は十分にある素晴らしい場所でした。
まずボートの船着き場までの行き方ですが、市内からタクシーなどで直接行っても良いのですが僕はアブシンベル神殿の帰り道から直接行きました。アブシンベル神殿の日帰りバスは早朝に出て、お昼過ぎにはアスワン市内に戻ってきます。その際に、船着き場の近くを通るので、そこでおろしてもらったのです。あらかじめバスの運転手に伝えておけば問題なく降ろしてくれます。降りた場所から船着き場までは大体30分くらい歩きました。実際に降ろしてもらった位置から船着き場までの歩いたルートを貼っておきます。
船着き場に着いたらチケット買い、ボートを交渉です。たまに1人150とか払ってる人を見かけますがそれはやられてますよ。ボート一台150で行けますので、人が集まれば集まるだけ安くなります。暫く待っていると同じような人たちが集まり出して、最終的には自分入れて5人あつまりました。1人30ポンド支払って乗り込みます。ボートは気持ち良かったですが、イシス神殿は身を隠すような壁が続き、外側から中を見ることは出来ませんでした。
そして10分くらいでフィラエ島へと辿り着きます。フィラエ島はとても小さい遺跡だけが取り残された不思議な場所です。ここはイシス女神が天空と太陽のハヤブサの神であるホルスという神様を生んだ場所なのだそうです。ちなみにホルス神の父親はオシリスとラーです。父ちゃん2人って一体どうなっているんだと思うかもしれませんが、まあ神様なのでなんでもありです。
このイシス神殿の最も評価できる点はその美しさと保存状態だと思います。石板に描かれている絵画やヒエログリフが驚くほどくっきりと綺麗に見て取れます。これが何千年も前に描かれたものなのかと疑いたくなるほどでした。
ユネスコの世界遺産として登録さていることが大きいのでしょうか、見てきたエジプトの遺跡の中でここの遺跡が一番綺麗だと感じました。そしてもう一つイシス神殿の良いところが、とても静かであるというところです。観光客の数がかなり少ないのでゴミゴミしておらず、良い意味で観光地っぽくないので静かに見て周れました。現地で何かを勧誘してこようという人もいませんし、小さな島なのでタクシーなどの乗り物の勧誘ももちろんありません。
話に聞くと、イシスという女神はエジプト人からとても人気なんだとか。エジプト神話には詳しくないのですが、話を少しずつ聞く限りかなり面白そうです。先程ホルス神には父親が2人と述べましたが、詳しくは大ホルスと子ホルスという2柱のホルスという神様がいたそうで、それが次第に同一視されていったとのこと。
ちなみにここの神殿に祭られているイシス女神ですが、銛で息子のホルスを撃ち抜いています。←エジプト人のおっちゃんにこういう小話をちょこちょこ話してもらうと、ついつい興味が沸いて調べてしまいます。因みにイシス女神が息子ホルス神を撃ち抜いたのは誤射だったそうです。
エジプトの太陽光は痛いくらい強いですが、日陰に入ると案外涼しかったりします。きっと日本のように湿気がなく、カラッとしているからなのでしょう。神殿の中はひんやりとしていて居心地が良く、ヒエログリフの可愛い姿かたちを眺めているとあっという間に時間が過ぎ去っていきます。僕がボートの運転手に告げられた制限時間は2時間でしたが、もっとゆっくり遺跡の木陰に座ってのんびりしていたかったです。
もしタクシーを待たせていない場合は、市内まで行く足を捕まえなくてはなりません。僕は来るときに降ろしてもらった場所まで歩きながらタクシーを探しましたが、全く走っていませんでした。その代わりアスワンには(にも?)乗り合いバンが走っているのでそれで市内まで行けます。大きい道路なら結構な頻度で走っているので手で合図して止めましょう。外国人だと高い金額言ってきたりしますが、黙って2ポンド渡しましょう。本当は1,5ポンドらしいのでお釣りが返ってくれば良心的ですが、僕はまあチップだと思ってお釣りがなくても何も言わないことが多いです。
ではでは