ヒッチハイクのススメ
バックパッカー、海外放浪、旅人と言うと、同時にヒッチハイクを連想する人は多いのではないでしょうか。
僕はヒッチハイクをメインにしたり重きを置いたりするような旅はしたことがありませんが、それでも30回くらい経験があります。
ベテランという粋に達しているのかは置いておいて、ヒッチハイクのコツや自分なりの気づき、注意すべき点などを共有しようと思います。
ヒッチハイクの目的
まず初めにヒッチハイクの目的についてですが、無料で目的地にまでたどり着くことだけを目的にするのはオススメできません。
時にはそんな目的になることもあるかもしれませんが、基本的には交流を目的にすると色々と物事が上手く運ぶと思っています。
乗せてくれるのはロボットではなく人間です。後の本番は乗ってからで詳しく説明しますが、タクシー代わりという目的以外に何かヒッチハイクをする理由を持つことをオススメします。
例えば現地の事情を色々聞いてみたいとか、異文化交流をしたいとか、人生相談をしたいとか何でも良いのですが、コミュニケーションを経て乗せてくれたドライバーと仲良くなれるとその日の宿代や飯代までもタダになるかもしれません。
結局は自分が得をするので、相手をタクシードライバーにせずに色々とできることをギブしていくのがオススメです。
成功率を高める作戦
清潔感
旅人にとって一番クリアが難しいであろう項目を一番初めに持ってきました。
やはりある程度の清潔感がないと車に乗せたくないと思われてしまうのは仕方ないことです。身なりが汚い場合はトラックの荷台なんかには乗せてくれますが、後部座席を狙うのは難しいでしょう。
鏡を見て、「コイツなら乗せても良さそうだ」くらいには清潔感を持ちましょう。
立地と交通量
場所選びはめちゃくちゃ重要です。
ヒッチハイカーを乗せても良いと思っていても、センスのない場所にいるため止まれなかったり通り過ぎてしまったりすることがあるのです。
最高条件は以下の通りです
・道路が一直線(見晴らし良いと最高)
・交通量が少ない
・日向(日陰と日向では成功率は段違いというのが僕調べ)
・近くに日陰(ずっと日向にいると死ぬので、車が来たら出ていける距離に日陰があるとベスト)
車はヒッチハイカーを見て急に止まるわけではなく、同乗者と「どうする? 乗せてみる?」みたいな相談をしてから止まります。つまり、一瞬しか姿が見えないとその相談をしているうちに通り過ぎてしまうのです。
ヒッチハイクのコツは遠目に、早めに姿を認知してもらうことです。
笑顔
人生の裏技です。
笑顔は最強の武器でコミュニケーションツールです。遠目からだと分かりにくいかもしれませんが、ドライバーは必ず表情を見ています。外からは見えづらいですが、フロントガラスに向けて全力で笑いかけましょう。
アピール
見晴らしの良い場所では身体を使ってアピールしましょう。
移動手段をヒッチハイクのみで旅をしているニュージーランド人に出会ったことがありますが、彼は道路の真ん中に立って無理やり車を止めると言っていました。
僕はそこまではしたことがありませんが、両腕を振ったりジャンプしたり側転したりはしていました。気づいてもらって面白そうと思ってもらえれば勝ちなのでアピール方法はドライバー側の気持ちになって考えましょう。
人によると思いますが、僕は段ボールに行き先だけ書いて無表情で突っ立っているのは乗せたくありません。
メンタル
重要になってくる部分です。
基本的にヒッチハイクは無視されると思って数を当たりましょう。一台一台にガッカリしていては心が持たないので、あまり力を込めずに気楽に楽しみましょう。
乗せてくれなくても、ドライバーが反応してくれることはよくあって、それも割と嬉しいものです。笑ってウインクしたり、ゴメンよーと手を挙げたり、ポテチを一袋放り投げてくれたこともありました。
上手い具合に楽しみを見つけながらしんどい気持ちにならないようにコントロールしましょう。
本番は乗ってから
運良く車が止まってくれたら、そこからがヒッチハイクの始まりです。
逆に、路上で知らない人を車に乗せる目的は何なんでしょうか。ただただ親切心だけなのでしょうか。
「コイツ面白そうだな」で乗せる人がほとんどなのではないでしょうか。コイツは一体どんな旅をして、どんな生き方をしているのだろうかと興味を持ってくれているはずなのです。
車を運転しながら、面白い話の一つでも聞けるのかなという下心を持って車を止める人がほとんどではないでしょうか。タダより高い物はないと言いますが、ヒッチハイクの料金はコミュニケーションだと思っています。
別に無言でちょこんと乗っていてもそれで文句は言われないかもしれませんが、せっかく乗せてもらっているのだから多少は相手に喜んでもらえる努力をするのが仁義というか、マナーというか、礼儀のようなものだと思います。
「何も面白い話なんてないよ」とか、「英語が話せないよ」とかの嘆きは数時間の努力で何とかなると思います。話せるエピソードを考えて翻訳しておくだけです。
ちなみに、今まで色んな国でヒッチハイクをしましたが、拾ってくれる人たちはほぼ100%英語を話せました。ヒッチハイカーを乗せる人は、旅や旅行に興味のある人、つまりは外国に興味がある場合が多いのかなと思います。なので、どこの国でヒッチハイクするにも、英語さえできればまあ何とかなるのかなと思います。
少し話が逸れましたが、僕が言いたいことは「コイツを乗せて良かったな」と最後に思ってもらうことが大切だということです。
2つの注意事項
もっとも注意すべきは、ヒッチハイカーは止まる車を選べないという点です。
遠目や車の外装からはドライバーの人格まで知ることは難しく、ようやく止まってくれた車に変な奴が乗っていない保証はないのです。
車に乗ってから変な奴だと気づくこともあるかもしれません。
ある程度防ぎようのないリスクではありますが危険を回避するために覚えておきたいのは、ヒッチハイクでは止まる車は選べないが乗る車は選べるということです。
僕は一度、ヒッチハイクで苦い思いをしたことがあるのですが、それからある程度車の中の人を見定めるよう努力しています。
見定める時間は止まった車に乗り込むまでということになりますが、その際にもたもた時間を稼いで観察するようにしています。
厚めにお礼を言ったり、自己紹介をしたり、全然車が来なくてさ〜みたいな会話で反応と人を見るようにしています。そこでこじれるようならそもそも乗るべき車ではありませんし、少しでも嫌な空気や妙な雰囲気を感じたらやめておくことをオススメします。
もう一つ注意事項は余裕です。
ヒッチハイクは追い詰められてやるべきではありません。どうしてもやむを得ない場合を除き、気持ちと時間に余裕がある時に挑戦しましょう。
特に時間に追われていると必死になりすぎたり変な車かどうか見定めることができなかったりします。大袈裟なことを言うと、ゴールを急ぐあまりに人生のゴールを迎えてしまうかもしれないのです。
時間と気持ちに余裕のある時に、釣りをするときのようなゆったりしたメンタルがヒッチハイクには合っていると思います。
最後に
他にも旅のノウハウやエピソードをまとめているのでコチラの一覧をどうぞ。
最後まで読んで頂きありがとうございました!