旅や旅行をする際、皆さんはどんな風に計画を立てるでしょうか。旅先をインターネット使ったり、ガイドブックを読んだりして調べる人がほとんどだと思います。中には人から直接話を聞いて情報を手にする人もいるかもしれません。そんな旅や旅行が結局「計画している時が一番楽しかった」とならないように、旅や旅行をさらに楽しめるようスパイスを付け加えられたらと思いこれを書いています。僕が海外を旅し続けた5年間で手に入れた、ガイドブックにはない隠し味をご紹介致しますので是非上手く活用してもらえたらと思います。
交渉に負ける
交渉には負けましょう。よくガイドブックや旅行の手引きのような雑誌には、お土産を購入する際にいかに上手く値段交渉をするか、そのノウハウが紹介されていたりします。ネットの情報でも、「どこそこの屋台では半額以上に交渉できた!いくらで買えた!」などと紹介していたりします。結論から言うと過度な交渉はむしろ損をします。
海外にいればお土産屋さんや屋台、タクシーやトゥクトゥクなどの乗り物を利用する際には値段交渉が必要なる場合もあるでしょう。もちろん交渉しなければいけない場面では頑張って安くしてもらえるよう工夫しましょう。その方法についてはコチラで紹介しています。ただし、その交渉は最終的には負けてあげることを推奨します。もちろんバカげた価格を支払う必要はありませんが、多少なら相場よりも多く払うこともアリだと思います。その理由はポジティブなものとネガティブなものがあります。
・ポジティブな理由
交渉相手が上機嫌になることです。これによって得するケースは少なくありません。ネットやガイドブックにない情報を教えてくれたり、地元に関するアドバイスをくれたり、友達になれたりと様々です。
僕はインドのリキシャ(人力車)と値段交渉している際にハッと気づきました。
「今10ルピーだの20ルピーだの言い合っているけれど、日本円にしたら数十円のことじゃないか」
僕はすぐに折れて彼のリキシャに乗り込みました。彼は上機嫌で「ここのラッシーは最高だ」だの「ここのバーガー屋は観光客に人気だけど大したことない」、果ては「タージマハルに無料で入れる方法を教えてやる」などと必要かどうかは置いておいて色んなことを教えてくれました。数十円、数百円なら僕ら日本人からは小さな金額でも国によっては大金になり得ます。彼らの情報と笑顔を買うつもりで時には多めに払うのも悪くありません。
・ネガティブな理由
以前僕はなんでも最安値でないと気が済みませんでした。そうでないと不公平な感じがして受け入れられなかったのです。その結果、ゴリゴリと交渉してなんでも安く手に入れることに成功していたと思います。
しかしながら、僕は安価と同時に交渉相手の「不満」も一緒に手にしていたのです。しばらくそのようなスタイルで旅を続けていて気付きました。僕の買った服やズボンはいつもどこか汚れていたりすぐ破けたりするのです。バイタクの親父は宿屋の受付スタッフにに何かを伝え、その宿のサービスがレビューよりも明らかに低下していたこともあります。僕はトラブルにまで発展したことはありませんが、殴られそうになったなんて話も聞いたことがあります。そういったことを避ける意味でも、えげつない交渉はあまりオススメできません。
カメラを捨てる
長期旅行であればあるほどカメラが無い方が旅が楽しくなります。スマホがある以上、もちろん1枚も撮るなというのは無理があると思います。ですが、よっぽどカメラが好きでない限りはカメラの購入自体オススメしません。
確かに初めの頃はいいんです。旅行のために買ったばっかりのカメラ!お気に入りのカメラ!テンションも上がります。しかし、段々とそのカメラに苦しめられていくのです。僕はそういう旅人をたくさん見てきました。理由は以下の通りです。
・飽きる
・重い
・高価が故に手放せない(常に持ち歩く)
・スマホでいい
どれもめちゃくちゃよく聞きました。
極論を言えばスマホのカメラでさえ、なるべくしまっていた方が旅が楽しくなると思っています。人によっては目の前の絶景をカメラ越しに見ている時間の方が、それを生で見ているよりも長かったりします。楽しみ方は自由ですが、写真を見返して「あれ、こんなとこ行ったっけ?」となるよりも、写真を取り忘れるくらいその景色を記憶と心に刻み込んだ方が価値があると思います。ちなみに、一緒に行く友達が写真ばっかり撮っていると僕はいつもしめたと思います。僕は全力でここを楽しみ、後から写真をもらえれば一石二鳥です。もちろんお礼に1,2枚写真を撮ってあげることも忘れません。
客引きを無視しない
「客引きは無視しましょう」旅行の情報記事にはどこにでも書いてあるもはや標語のような決まり文句です。僕は正直これが一般化することには割と疑問と危機感を抱いております。理由はポジティブなものとネガティブなものがあります。
・ポジティブな理由
客引きは誰彼構わず声をかけてきます。基本的にそれらは皆フレンドリーな入り口で、喧嘩腰の客引きんて滅多に出会うことはないと思います。それらフレンドリーモードな彼らに対し、こちらが全くの無反応というのはどうなんでしょうか。
「でも反応したらついてきたりもっと絡まれるかもしれない!」
確かにその通りですね。たとえ断りの文句を言ったとしても、彼らはしつこく絡んでくることがあります。それ自体がアレルギー的に嫌いだというのなら仕方ありません。走って逃げるか彼らを避けて歩くしかありません。しかし、反応することが必ずしも悪い結果を生むのかというとそうではありません。
僕はいつもにこやかに断っています。時には足を止め、相手の目を見て会話しながら説明することもあります。そこから仲良くなり、次にやってきたときに交渉無しに割引料金にしてくたこともあります。
「ちょっとそこまで行くだけだから歩くよ」、「お土産は昨日買っちゃったんだ」、「今日は気が乗らないからやめとくよ」と無視せず伝えます。意外にも「そうかじゃあ次は頼むよ」と引き下がってくれることは珍しくありません。
それでもさらに絡んでくる場合もあります。こちらが理由を説明しても繰り返し勧誘してくるケースです。僕の取る選択肢は、根気強く無理な理由を説明する、キレるの2択でえす。85%は前者ですが、言っても聞かないのであれば怒って立ち去ります。「怒らせた」と感じさせればもう追っては来ません。ごめんねという理由以外で追ってきたら危ない奴なのでもう逃げましょう。
・ネガティブな理由
無視は人を傷つけます。「毎日のことなんだからみんな客引きたちみんな慣れてるでしょう」と思われるかもしれません。しかし、客引き、キャッチなどの仕事をしたことがある人なら分かると思いますが、多少慣れたとしてもゼロにはなりません。無視されたら人は傷つくようにできています。それは少しずつ蓄積されていき、あなたの前で爆発するかもしれません。しかしその爆破寸前のところで、笑顔で「ごめんね、また今度ね」という風に断る人がいたとしたら、爆発は次の人にしてやろうとなるかもしれません。
無視をした結果、後ろから悪口を言われるくらいならまだしも、「アイツは俺を無視した」と覚えられてしまうのは気持ちの良いものではありません。ちょっとした会話や挨拶をしたぐらいで「お金をよこせ」とはなりません。それでお互い嫌な気持ちをしなくて済むのなら、やらない手はないと思います。にこやかに断り、しつこい場合はその理由を説明しましょう。
トラブルに飛び込む
トラブルは旅の醍醐味の1つです。積極的に受け入れていきましょう。とはいえ何の考えもなしに危険なことをしろと言っているわけではありません。十分にリスクを管理した上で、冒険しましょう。リスクの管理とはつまり、「怪しげなクラブ、スラム街に行くが絶対に失くしてはいけないものはホテルに置いてくる」とか、「知らない人についていったとしても出された飲み物食べ物は食べない」とか、「無免許ノ―ヘルでバイクを運転できる国だけど、保険には入っておく」などの線引きのことです。
旅行先で、「あーどうしよう。いくべきかやめとくべきか……」という問題にぶつかることがあったら、是非飛び込むことをオススメします。多くの場合、その問題というのはトラブルに直結します。しかしそれでも「やめとこうよ」という天使の声をねじ伏せてください。人は「やらなかった後悔」の方が「やった後悔」よりも1.5倍大きいという研究があるそうです。悩んだ時点で「やらなかった後悔」につきまとわれる可能性があるのです。リスク管理と線引きだけ忘れなければ、失敗してもきっと日本に戻ってから笑い話になっています。
人の体験してきた素晴らしい景色や体験の話を聞くのは楽しいのですがどこか退屈なんです。失敗や危険、トラブルの話はいつでも爆笑を伴います。案外そういう経験の方が、人と共有する際には価値あるものなのかもしれません。
ひきこもる
特に中期~長期旅行者方にオススメしたいです。居心地の良い宿を見つけてひきこもりましょう。旅先でたまに出会うのですが、毎日観光していないともったいない!とひたすら駆けずり回っていたり、移動を続けている旅行者です。もちろん旅にはそれぞれのスタイルがあるのでそれに良い悪いはありませんが、あまり囚われ過ぎないことをオススメします。たまには肩の力を抜き、ゆっくりと宿の共有スペースやカフェでユーチューブでも見て1日を過ごしましょう。そこにいる他の旅人や宿のスタッフと話をしてみるのも新しい発見や出会いがあって良いかもしれません。
旅慣れてている人ほどゆったりまったりするのが上手いと感じます。その上観光地にはめちゃくちゃ詳しかったりします。そういう人は観光する場所について丸1日ゆっくり宿で調べてから行くそうです。
毎日クタクタになるまで観光して周ると、楽しめるものも楽しめません。1つや2つくらい行けない観光地があったっていいんです。もし本当にその国を気に入ったならまた来たらいいじゃないですか。「のんびり」という要素も旅や旅行に組み込むことをオススメします。
最後に
まとめます。
・交渉事はこちらが寛大になりましょう。
・客引きも同じ人間、感情ある態度で接しましょう。
・本当の景色は自分の目でしか見られません。
・冒険して失敗しても価値ある結果になります。
・旅で消耗する必要はありません。