ニュージーランドで仲良くなったマオリ族紹介

ニュージーランド編

 ニュージーランドにはマオリ族という先住民が暮らしています。

 先住民と言っても我々と同じような生活をしており、仕事をして、遊んで、家族をつくって暮らしています。彼らは基本的に力が強く、顔にタトゥーを入れている人も少なくないので、初めて対面すると少し圧倒されるかもしれません。

 しかし、そんなコワモテな見た目とは裏腹に、僕が出会ったマオリたちは陽気で優しい人たちでした。

 ニュージーランドではマオリたちと知り合う機会が多く、中でも仲良くなった人たちを紹介していこうと思います。

 

コンストラクションのエース

 マオリたちはとにかく力が強いです。

 そんな彼らはコンストラクションではいつもエースです。コンストラクションとは建設現場での肉体労働系の仕事で、僕は気が向いたらたまに働いていました。中でも大柄な1人のマオリが僕に気をかけてくれたのです。何をしていいか分からない状態から救ってくれました。

 僕は彼について色々と仕事をしていたのですが、その間彼は教える事をめんどくさがる様子を見せず、鼻歌まじりで楽しそうに仕事していました。たまに鼻歌にとどまらずに歌い出し、僕にも歌えと言ってきました。

 仕方がないのでデジモンのバタフライを歌っていたら、ちょうど現場監督がやってきて軽く注意されるという事件もありました。

 彼は現場の中でも1番力持ちのようで、僕が2つの資材を運ぶところを彼は倍以上運びます。

 町を移動する予定のあった僕は、最後の日にお礼を言おうと思っていたのですが、彼は姿を現しませんでした。現場監督に聞いてみると、「風邪だ。そういう理由だ」と意味深だったので、おそらくサボりだと理解しました。

 何も言えなかったのは心残りですが、旅は一期一会の連続だと再認識しました。

 

相部屋の同居人

 僕はマオリだらけのホテルに3ヶ月ほど滞在していたことがあります。

 そこはキウイが有名な町で、季節になると出稼ぎにやって来る人で賑わいます。僕もそんな出稼ぎ人の1人で、キウイで一財産築いてやろうとやってきたのでした。

 そんな町で僕が選んだホテルがたまたまマオリだらけだったのです。ドミトリー(相部屋)を予約しており、部屋に入ると先客が1人ベッドに横になっていました。彼とはこの先長い付き合いになるのです。

 基本的に朝仕事に出かけて夜戻って寝るというサイクルの彼でしたが、たまに休みの日にはビールをいっぱい買って来てテラスで飲んでいました。割と互いの話もしましたが、僕よりもハードに働いていた彼は疲れてすぐに寝てしまうことが多かったです。

 話すようになったきっかけは、彼が夜中にアホみたいに大きな音楽をかけてベランダで酔っ払っていたところを、僕が盛大に怒り散らかしたことでした。

 昨晩はごめんよと謝られ、仲良くなりました。

 

フォークリフト乗り

 同じホテルに泊まっていたマオリのおばちゃんです。

 アジア人の小僧が1人で泊まっているということでよく気にかけてくれました。食べ物を分けてくれたり、仕事に関するお得な情報をくれたり、どこどこの仕事場には日本人の女の子がいるらしいとウインクしてきたりとお喋りなおばちゃんでした。

 よく食パンをフライパンで焼いており、トースターを使うよりも美味しくなるんだと得意気に話していました。

 彼女はキウイ工場でフォークリフトの仕事をしており、僕はフォークリフトの免許を取ることを強く勧められていました。理由は儲かるからです。僕はその時、キウイを箱詰めする仕事をしていたのですが、フォークリフトが使えれば倍以上の給料がもらえるのだそうです。

 彼女は僕以外の宿泊者にもフォークリフトの免許取得を勧めており、斡旋業者かと思うくらいでした。もちろん彼女は単なる親切心で勧めているだけで、試験を潜り抜ける裏ワザ(カンニング)まで伝授してくれました。

 僕の作っていた料理がうまそうとよく褒めてくれて、彼女の晩ご飯と交換したりもしていました。

 

アメリカンギャング

 マオリだらけのホテル暮らしから1ヶ月ほど経った頃、2人のマオリが新たに部屋にやってきました。

 4人部屋なのでこれで満室です。2人は兄弟で、これから僕が1番よく話す2人になるのですが、英語がめちゃくちゃ聞き取りづらいのです。

 元々マオリたちの英語は少しこもった喋り方をする人が多く、僕は会話中よく聞き返してしまうのでした。しかし、彼らの英語は他のマオリたちよりもさらに聞き取りづらいのです。

 その理由は、彼らがアメリカのギャングたちに憧れており、話し方をめちゃくちゃ似せているからです。

 独特な言い回しとギャングスタっぽい話し方は僕を散々苦しめました。ちなみにニュージーランドはイギリス英語なので、そもそもアメリカ英語で話してくるマオリなんていないのです。

 彼らは部屋にいるときはいつも何かの動画をスマホで見ており、イヤフォンなんて持っていないので音は垂れ流しです。その動画の音を聞く限り、彼らは日夜アメリカのギャングたちの英語やカルチャーの勉強に勤しんでいるようでした。

 とは言え、気の良い奴らだったので結局仲良くなったのでした。

 

最後に

 今回は別の記事で紹介したマオリたちは紹介していません。

 例えばラブライバーマオリ↓↓やフラット(シェアハウス)のオーナーなどです。

 

 他にもニュージーランドの記事を書いているのでコチラのまとめをどうぞ。

 

 最後まで読んで頂きありがとうございました!

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