シーシャ屋さんで出会った面白い人特集その1

シーシャ

 シーシャ屋さんには本当に色んな人が来ます。

 日本と海外を併せたら50軒以上はシーシャ屋さんを巡りましたが、そこには色んな出会いがありました。シーシャ屋さんにやって来る人はどこか変わった人が多く、良い意味で変な人たち、面白い人たちが集まるような気がします。

 2店舗のシーシャ屋店員としても働いた経験がありますが、そこにやって来るお客さんたちも中々の曲者揃いで、働いていてとても楽しかったです。

 

 今回はそれら国内外のシーシャ屋さんを通して関わった人たちの中から特に僕が面白いと思った人物や、またその人たちの経験談を紹介しようと思います。

 

 

めちゃくちゃスピリチュアルな人

 見るからにめちゃくちゃシーシャの似合う女性の方が店にやって来て、僕の向かいの席に座ったので声をかけてみました。

 その人曰く、天と繋がるためには最終的には消えて無くなることが理想であり、煙はそれを体現しているため美しいとのこと。精神は空間のゆらぎのようなものであり、訓練を積めば死ななくても肉体を離れる体験をすることができるそうです。その訓練は日々の瞑想とその空間が洗練されていることも大切なのだと言っていました。 

 僕は彼女の言っていることが半分以上分からなかったのですが、シーシャが運ばれてくるまでそのスピリチュアルな話に耳を傾けていました。

 

 しばらくしてシーシャがやってくると、彼女は目を閉じて少し顔を上に向けると、勢いよくゴポゴポと煙を吸い込みました。僕はこのスピリチュアルな女性はどんな表情で煙を吐き出して、何を言うんだろうとドキドキして見守っていました。

 

 ゴホゴホゴホー!!!

 

 彼女は盛大にむせ返ったのです。

 その物静かな出で立ちでスピリチュアルな話を語っていた彼女がゴホゴホと涙を流しながらむせている様子に思わず笑ってしまいましたが、話を聞くとシーシャはその時が初めてだったそうです。

 その人はタバコを吸ったことがなく、シーシャ自体も初めてということでとてもワクワクしていました。タバコはにおいが好きではないので試したことがないけれど、シーシャは良い香りなので好きでトライしたのだそうです。

 

 

命を削ってシーシャを吸っている人

 「この人こないだ手術して死にかけてたんだよ」

 常連さんにそう紹介された彼は、見るからに病弱そうでか細い男性でした。僕はこの人にシーシャを出して良いものかと思わず迷い、大丈夫なのか尋ねました。

 「シーシャを吸わせてくれ。俺はほとんどこのために生きているんだ。もし君が今シーシャを作らなかったとしても、結局家に帰って吸うんだから関係ないよ。それに手術して今生きているってことはもう大丈夫ってことなんだから」

 「でもそれでまた再発? 悪化とかされたら僕イヤなんですけど……」

 その人は顔の前で手を振って言います。

 「そんなことで罪悪感を感じる必要はないよ。それで言ったら、君は毎日色んな人にシーシャを出しているだろう? その人たちの肺を汚しているじゃないか。いずれその人たちが病気になったとしてもなんとも思わないだろ? 居酒屋の店員だって誰にでも酒を出すし、車屋だって誰にでも車を売るんだ。その車に乗って飲酒運転とかで交通事故に合って死んだとしても、居酒屋も車屋も何も思わない。だから早くダブルアップルとミントのミックスをよろしくお願いします」

 

 僕はなんだか複雑な気持ちになりながらも、シーシャを作りました。結局、その人は週に1回は来てくれるような常連さんになりました。

 僕は段々と気にしなくなってシーシャを作り続け、僕が辞めるまで病が悪化することはありませんでした。

 先日あるシーシャ屋に行った時、偶然にもばったりとお会いしたのですが全く元気そうな様子で、しかもバリバリシーシャも吸っているよとのことでした。この人はなんだか長生きするような気がします。

 

 

伝統芸能の人

 とある伝統芸能の子息がシーシャを吸いに通っていたことがありました。

 気さくで良いやつだったので仲良くなり、よく話す間柄になりました。まだまだ若者だったのですが、将来の道は家系的に決まっており、その伝統芸の道に進むのだと言っていました。

 中々の男前で、可愛い女の子をよく連れていましたが、男にも好かれるタイプの色男で色んな男友達ともシーシャを吸いに来ていました。

 将来が決まっているといってもまだその時は学生だったため、これが最後のチャンスとばかりに遊び歩いている様子でした。その学生時代最後を謳歌する時期にシーシャに出会い、ガッツリその魅力にハマっており、週に3、4日はシーシャ屋さんに通っていたと思います。

 

 恋多き男で、毎回違った恋愛相談に乗ったりしていましたが、不思議と嫌味のない雰囲気を醸していたのです。

 1番印象に残っている恋愛相談(?)は、ある女の子に他の女の子の存在がバレてしまい、井の頭公園の池に飛び込まれた話です。

 井の頭公園には池を跨いで長い橋がかけられているのですが、池と橋との距離は1メートルもありません。彼に腹を立てたその女の子は真夜中の池に飛び込むと、そのまま浮き上がってこなかったのだそうです。

 彼は橋から池を見下ろしていましたが、夜の静寂に包まれて池は鯉たちの揺らぐ気配すらありません。10分たっても浮き上がってこないので、怖くなった彼はその場を離れたのだそうです。

 しばらくすると彼に電話がかかってきたので見ると、彼が本命として付き合っていた女の子だったので電話に出ました。

 ビショ濡れの女の人が家のチャイムを鳴らし続けているので今すぐ来て欲しいと言うのです。

 

 「あきらさん、あの女は潜水して岸から上がってまっすぐ彼女の家に向かったらしいんです。そんなことあります? 浮気はするもんじゃないすよ」

 浮気されて潜水されるなんてもう、とか訳の分からない事を言い出して首を振っていた彼も今や立派に舞台に立っています。

 

 

ヒマラヤの村から来た人

 ネパール人のシーシャ好きと出会ったことがあります。

 彼はお金がないので毎回ツケにしようとしていてお店によく怒られていました。面白いやつで、話し出すと全く止まりません。英語の方が流暢でしたが日本語も話せたのでびっくりしました。

 生まれた育った場所がヒマラヤにある村なのですが、ほとんど独学で日本語を勉強したのだと言っていました。

 「たまに日本人が来るからね。そしたら無料でガイドしてあげて日本語を教えてもらうんだ」

 そんなことを言っていました。ヒマラヤはとても人気の観光スポットだそうで、一年間のうちに何人もの日本人がやって来ると言っていました。大抵は登頂を目的にしてはおらず、大体の旅人は彼の住んでいた村辺りにまで来て下山するのだとか。

 

 彼のエピソードで印象に残っている話は幻覚蜂蜜の話です。

 山の崖に巣を作るハチがネパールにはおり、そのハチたちが集めて来る花の蜜がかなり特殊なのだそうです。その地域に咲くその花は軽い毒性なのか作用なのかを持ち、蜜を舐めると頭がフワフワして陶酔作用や軽い幻覚が見えるのだそうです。

 そして季節になると、その蜂蜜を求めて村人たちは崖に集まるのです。崖から縄を垂らし、ハチに刺されながらも蜂の巣をもぎ取らなくてはならないのですが、それがめちゃくちゃ大変なんだとか。

 とれたてでないとその陶酔作用は無くなってしまうで、瓶に詰めて保存することに意味はないのだとか。

 僕はその花がなんなのかは詳しく聞きませんでしたが、調べてみると確かにそのような蜂蜜がネパールにはある事を知りました。当時は眉唾程度に聞いていた彼の言うことが本当だった事知り、いつかまたその話を聞いてみたいと思っています。

 参考までにですが、ユーチューブにもそれについた特集を見つけたので貼っておきます↓↓。

 

最後に

 シーシャ屋さんには店員さんを含めて癖の強い人たちがたくさんいます。

 僕の経験上そのほとんどの人たちが良い人たちで、話をしていてとても楽しいです。シーシャ屋さんで知らない人とお喋りすることもまた、シーシャの醍醐味の1つなのかなと思っています。

 まだ行ったことがないと言う人も、もし興味が湧いたらこの機に近くのシーシャ屋さんを覗いてみてはいかがでしょうか。

 

 「シーシャとはそもそも何ぞや?」と言う人のために、シーシャについてまとめた記事もあるので↓↓をどうぞ。

 

 最後まで読んで頂きありがとうございました!

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