悲しいかな日本人男性が海外でモテるというのは難しい話です(人による)。
長期間に渡って外国を放浪しているという話をすると、「ずっと1人で女の子とか恋しくならないの?」と聞かれることが少なくありません。
「外国での生活は刺激に満ち溢れているので、恋愛どころではないのだ」と言い張っているのですが、実際には恋愛しようとしてしっかり失敗しています。今回はそんな失恋談を紹介します。
タイ古式マッサージ師
いかがわしいマッサージではありません。
タイやその他の東南アジア諸国ではマッサージを激安で楽しむことができます。マッサージと言ったら日本ではかなり高級なリラクゼーションですが、タイなら散歩や昼寝ついでに行くことができます。
僕は居心地の良い宿を見つけて長期間滞在することが多いのですが、いつも近所のマッサージ屋さんを見つけ出して行きつけにします。行きつけのマッサージ屋さんを作ると、そこのスタッフと仲良くなれたり、たまにサービスしてくれることもあるのでオススメです。逆に手抜きになることもあるのが難点ですが、まあそれも東南アジアらしいのでOKです。
タイのチェンマイでのことです。
いつものように沈没できそうな安宿を見つけ、近くにマッサージ屋さんも見つけ、1ヶ月くらいゆっくりしようと企んでいました。マッサージ屋さんは2回目で既に顔を覚えてくれていて、とても嬉しかったです。
他のマッサージ屋さんよりも若干高めの値段設定でしたが、そこに通うことにしたのは訳がありました。めちゃくちゃ可愛い子が働いていたのです。なんとまあ単純な生き物なんだと文字に起こしていると情けなくなってきますが、当時はほとんどその子目当てでマッサージに通う日々でした。
彼女は日本語を勉強しており、片言ですがコミュニーションを取れるほどの実力でした。その頃の僕の検索履歴は「タイ 移住」「タイ語 難しい」「タイ デート」とかでした。
しかしそんな楽しい日々は呆気なく打ち砕かれます。
ある日、いつものようにお喋りしながらマッサージを受けていると、どこのホテルに泊まっているのかと尋ねられました。宿泊しているゲストハウスの名前を答えると、なんと彼女はオーナーと知り合いという事でした。
そしてそのまま会話の流れで、宿にいるみんなでパーティしようということになり、僕は彼女の手料理が食べれらると有頂天でした。
その晩、宿のオーナーと数人のゲストたちでご飯を作り、彼女の登場を待っていました。そして彼女は友達数人を連れてやって来たのですが、そこで僕は愕然とする事実を突きつけられたのです。
彼女はなんと夫を連れてきたのです。しかも日本人の!
「まさか結婚しているとは」というダメージと「同じ日本人」というダメージに打ちひしがれて、数日は床に伏していました。
ハンガリーのダンサー
ハンガリーのブダペストでの話です。
僕はあるホステルの管理人をしていたのですが、そのホステルには宿泊者だけではなくて現地の学生なんかが遊びに来るような憩いの場でもありました。
そこではダンサーや画家などの芸術関係の人たちとも知り合いました。外見も内面も魅力的な人たちばかりでしたが、僕は1人のダンサーの子がめちゃくちゃタイプで猛アプローチしていました。
僕は年下だったのですがそのお姉さんにメロメロで、生意気にもデートに誘ったり1ヶ月以上なんやかんや頑張っていました。
その頑張りのお陰もあって、いい感じになることができました。
できたのですが、その頃には僕のビザの期限が迫っていたのです。僕は資金的にも状況的にも一度立て直さなくてはならないことがたくさんあり、帰国しなければならなかったのです。家を解約せずに1年以上ふらついていたり、税金やらクレカの不正利用やらと日本には問題が山積みで、そういった意味でも帰りたくなかったのですがやむにやまれずです。
そのままハンガリーでの生活を視野に入れて色々と調べたりもしていましたが、結局うまくいきませんでした。「状況」に引き裂かれた悲しい失恋となってしまったのでした。
正直、こうなることは容易に予想できたのですが、まさか異国でそんなに好きな人ができるとは思ってもおらず、日本でも割と長期間に渡って引きずっていました。
台湾のお姉さん
日本人男性は海外ではモテないと冒頭で述べましたが、台湾は別です。
と言うと鼻の下を伸ばして遠い目をする人がいますが、あくまで他の国に比べてということです。日本でモテない男が突然台湾でモテる可能性は低いでしょう。台湾語が話せれば別かもですが。
とは言え、欧米諸国よりは男性として見てもらいやすいというのが僕の体感です。同じアジア人というのもありますからね。
台湾で知り合ったそのお姉さんは僕より2つ年上の綺麗な人でした。台北の宿で知り合ったのですが出身は台中で、仕事でたまに台北にやって来るのだとか。
一緒にご飯を食べたり、台北を案内してもらったりとかなりお世話になりました。台湾と日本の距離ならもはや遠距離とさえ思わない僕は、付き合えたらいいなあと思っていました。
そんな事を思い始めた矢先、これからどうしようかと彼女の方から話を振られたのでした。僕が自分の気持ちを素直に伝えると、彼女は少し考えてから若干面食らう要求をしてきたのです。
「まずは台中にきて親に会って欲しい」
んんーまあ全然良いけども……というのが率直な感想でしたが、とりあえずまあ行ってみようと思いました。一週間とちょっとしたら彼女の仕事が落ち着くので台中に行くことになりました。
そしてその日を境に彼女はどんどん豹変していったのです。
僕は常々思うのですが、日本人の男は女性の扱いにど素人もいいところです。そもそも求められている基準が違うのだと痛感することが多々あります。僕はそのお姉さんから徹底的な「レディの扱い方」を叩き込まれ始めたのです。
細かい指摘と束縛、そして束縛の要求に僕は必死についていこうとしましたが、全く要領を得ない僕に彼女はついに愛想を尽かしてしまったのです。
正直なところ少しホッとした自分もいたのですが、男としてダメだというレッテルを貼られた気がしてショックでした。
しかし僕にはラインの1分以内返信や細かい記念日の管理や徹底したレディファーストは向いていないのだと分らされました。
最後に
旅は出会いに満ちています。
その出会いを上手く使いこなし、恋愛旅人と呼ぶに相応しい人物を1人知っています。彼のように器用に旅と恋愛を楽しむことができればなあと思うこともありますが、個人的には旅は旅だけを純粋に楽しむ方が性に合っています。
色々な旅のスタイルがあって人それぞれに満喫することが大切です。旅のスタイルに関する記事もまとめているので↓↓をどうぞ。
最後まで読んで頂きありがとうございました!