居心地の良かったシギリアを離れ、次に僕が向かったのは「エラ( Ella )」という町です。目的はこの町というよりもむしろ、その道中にありました。そうです、有名な紅茶列車です…と言っても旅人でも日本人の反応は悪かったりします。スリランカの広大な茶畑の中を走る列車のことで、車内から見える景色は絶景の連続ということでとても人気の鉄道なのです。
まずはシギリアからスリランカの古都「キャンディ」という街までバスで移動し、そこからまたバスで「ヌワラエリヤ」という町まで移動します。古都キャンディは有名な観光地なので期待していましたが特に目を引くものがなく、しかも全体的に物価が高かったのですぐに移動しました。ヌワラエリヤからは気温はかなり涼しくて、エラに着いてからもパーカーにジーンズで過ごしていました。
話が逸れましたが、ヌワラエリヤからエラまでの道中です。
こんな景色が延々と続くのですが、不思議なものでいつまで見ていても飽きませんでした。うねうねと続く茶畑の中には時折農家の人たちの姿もありましたが、基本的には無人でした。何時間も走る列車の中でお茶に囲まれていると、この国スリランカがお茶の国出荷量第3位というのにも頷けました。因みに1位はインドで2位はケニアだそうです。
この列車はドアにロックがかかっていません。写真をご覧いただければ分かる通り、走行中でも身体を外に乗り出すことができちゃいます。なんて危ない!と思うかもしれませんが、この列車は日本の電車のようなスピードでは走っておらず、結構遅いので落ちても死にはしない、かもしれません。聞いた話だと、人が落ちたなんだという事故が頻繁にあることも確かなようです。たまに停止することがあるので、隙を見つけて身体を乗り出して写真を撮りましょう。
この紅茶列車、自由席は取り合いで駅のホームからその戦いは始まっているのですが、それを制する手が2つあります。
1つは列車が到着するや否や、窓から荷物を席に置いてしまうやり方。もう1つはあえて席を取らないやり方です。どういうことかと言いますと、この紅茶列車の特等席は予約席でも一等車でもありません(ごめんなさい一等車がどんなのかは知らないです)。特等席、それはドアの前なんです!全員が急いで椅子取りゲームをしている間に、ドアの前にちょこんと腰をかけ、足を外に投げ出して発車を待ちましょう。もちろん他の人が乗ろうとしてきたり降りようとしてきたら道を開け、また座って場所を取ります。発車して暫くすると、あれほど席を必死に取り合っていたのにも関わらず、空いているドアを探して人々がウロウロし始めます。いいところで交代し、譲ってあげて度量の深さをみせつけましょう。
エラはどことなくヒッピーな雰囲気を感じさせる自然豊か町でした。評判の良い 「ナインアーチブリッジ(Nine Arch Bridge)」 へ行って来ました。トゥクトゥクでも行けますが、お勧めは30分ほどかけて歩く線路の道です。
エラ駅からスタートです。
地図で見ると結構歩くのかなと思いましたが、全然気にならないくらい楽しませてくれる景色です。途中で野犬と遭遇しましたが、人懐こく人間に慣れていて怖いタイプではありませんでした。そして何故か最後の目的地まで先導してくれました。
途中怪しげな雲がかかり、雨の予報も出ていたので心配でしたが歩いていると雲が散り、逆にかなり晴れてきました。避暑地と言えど直射日光の下は流石に暑いですが、おかげで写真は綺麗に撮れるようになりました。山だからかエラは天気がくずれやすく、滞在中スコールにも出会いました。
トンネルではみんな叫んで声を響かせて遊んでいました。なんかそゆことって万国共通でやるんですね。
トンネルを抜けるとようやくナインアーチブリッジです!どこもかしこも撮影会です。
いくつか写真スポットがあり、僕は3か所で撮ってみました。
次は横からです。この角度からだとしっかりとアーチを9つ数えられますね(上の写真でも9つちゃんと数えられる)。
そして上からです。
ご覧いただいた通りそんなに観光客はいませんでした。太陽の登りきるお昼前か、夕方をお勧めします。日が昇りきってしまうともう暑くて散策する気にならないと思いました。
エラには1週間ほど滞在しましたが、観光はこのナインアーチブリッジだけであとは街をぶらぶらしたり、宿のハンモックでやっぱりぶらぶらしたりしていました。エラの街中はおしゃれな雑貨屋やカフェがたくさんあって、ゆっくり見て回ったら半日は必要かなと思います。
エラからコロンボへ戻るのに「ゴール(Galle)」という旧市街と要塞のある海岸沿いの街までバスで行きました。目的はゴールからコロンボまでの海岸列車です。こちらも有名と聞いていたのですが、乗ってみると人は全然おらずがらがらで拍子抜けしました。最後に列車からの写真を載せておきます。
ではでは