パアンには洞窟がたくさんあります。そして大抵はその洞窟の中が寺院のようになっていて、仏像が飾られていたりします。
僕は合計で3つの洞窟を訪れましたが、どれも個性があって楽しかったです。それぞれの見どころも含めて紹介していきたいと思います。
洞窟の近くになると道は突然悪くなり、道路の敷かれていない砂道や砂利道を走ることになります。スピードが出せないので思ったより辿り着くのに時間がかかりますが、そんなマイナス点を吹き飛ばすような景色が広がっています。
今回のツーリングは洞窟自体ももちろん楽しかったのですが、途中の田園風景にも素晴らしいものがあり、何度もバイクを止めて写真を撮ったり見惚れたりしていました。畑を囲む山々は厳かで力強く、道の両側に続く鏡張りの田んぼは圧巻でした。
そんな景色に感動を覚えながらバイクを走らせていると、あっという間に「サダン洞窟」へと辿り着きました。
パアンに来た際には是非この洞窟へ訪れてみて下さい。割と町から離れていますが、来る途中は延々と続く最高の景色なので飽きません。
バイクを駐車場に置き、すぐに洞窟の中へと続く階段を登っていきます。
階段の前にサンダルがあったのですが、誰かが脱いだのかただ捨ててあったのか分かりませんでした。もし脱いだものなら僕もここからは履きものを脱がないといけません。判断できなかったので、少し離れたところの売店のおばちゃんに声をかけました。
後にこのおばちゃんは僕のサダン洞窟冒険のキーマンになってきます。
「おーい!ここでサンダルは脱いで行くんですかー!」
「あーそこで脱いで持っていきな!中に置いておけるばしょがあるから!(ミャンマー語なのでわからないが、多分そう言っていた)」
おばちゃんの身振りでなんとか内容を把握してサンダルを持って階段を駆け上りました。
階段を上がるとお爺さんが受付をしていました。入場料1,000チャット払ってサンダルを隅に置きます。洞窟の中は割と濡れている場所が多く、最初は裸足に抵抗がありましたがすぐに慣れました。
この後もっと最悪なもの(コウモリのフン)を踏むので水ぐらいどうってことありません。
中には大中小様々な仏像が置いてありました。基本的にみんな金色で、奥には涅槃像もありました。
「お、ここにもゴールデンロックがあるじゃないの!」
と思って反対側を見たら、どうやら違いました。
情報ではこの洞窟はかなり巨大で、奥まで続いているということだったのですが、真っ暗でした。
一定の間隔で立っている電灯を見つけましたが、電気はついておらず地獄のような暗黒です。アイフォンのライトで少し行ってみましたが、怖すぎて引き返しました。戻るとさっきのおばちゃんに呼び止められます。
「おーい!なんか飲み物買っていきなよ!」
「うーん(正直いらんけど)。じゃあコーラちょうだい」
「はいコーラ、ずいぶん早く帰ってきたけど中は見なかったのかい?奥まで続いているんだよ?」
「知ってるけど、電気がついてなかったんだよ。真っ暗」
「これ貸してあげるから行って来なさい!」
僕は懐中電灯をゲットしました。
ちなみにですがここまでの会話、僕は英語で彼女はミャンマー語です。そして多分内容はあっていると思います。長年旅をしているとこんな謎スキルが身に着きます。皆も旅に出ましょう。
僕が懐中電灯で照らしながら奥へ進もうとすると、珍しく他の外国人観光客の集団がやってきていて、一緒についてきました。正直めちゃくちゃ心強かったです。
洞窟内部はコウモリたちの鳴き声が響き渡り、上を懐中電灯で照らすと無数の目がキラキラと光り輝いています。そして床は彼らのフンだらけ……。心を無にして進みます。そして10分くらい歩くと、スッと日の光が差し込んでいる場所にでます。
無駄に細い橋があり、その先にも小さな洞窟がありました。
来た道を戻っている時に洞窟の電灯が一斉に点きました。停電中だったんだと思います。もしここへ訪れて真っ暗だったとしても、少し待てば灯りがつくかもしれません。
おばちゃんにありがとうと懐中電灯を返し、次にやってきたのが「コーグン洞窟」です。
ここの特徴はなんといっても洞窟中に彫られた仏像たちでしょう。壁に直接たくさんの仏像たちが彫られており、他の寺院にはないユニークな造りになっています。
結構風化が進んでいて剥がれてしまったんだろうと思える場所が多々あり、昔は周りの壁全てに仏像たちが彫られていたのではないかと想像できます。
そしてこのコーグン洞窟、実は洞窟だけではありません。階段で外側から洞窟の上に登れるのですが、そこからの見晴らしは絶景は絶景です。
お坊さんに、この階段も裸足で行くのかと尋ねるともちろんだと頷かれたので裸足で登りましたが、時間によると階段がめちゃくちゃ熱くなっているので気を付けてください。でも他のお坊さんは中でもビーサン履いていたのに!
正直僕はもうここまででへとへとです。汗だくだくでTシャツは張り付き、足はガクガクです。息を止めてむわっとするヘルメットを被り(なんでこんなあっちー国でフルフェイスなんだよ!)、バイクに跨ります。そしてお次は最も美しいと言われている「ヤテピャン洞窟」です。
またも立ちはだかる階段に震えが止まりませんでしたが、登ってみるとそんなに高くなくあっさり辿り着けました。中には涅槃像とまたも大中小の仏像様たち。
ここの魅力は仏像様の眺めている景色を一緒に眺められる点でしょうか。高さはコーグン洞窟よりは低かったですが、それでもめちゃくちゃ良い景色です。
朝の8時頃に宿を出ましたが、気付けば13時を過ぎていました。最高の景色で休憩を取れたので、幾分か回復して帰ることができました。宿に戻ると、首筋と腕、太ももが真赤に日焼けしていることに気が付きました。数日間はこの火傷で苦しんだので、バイクをレンタルされる際には日焼け対策をオススメします。
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