1人旅は最高です。何をするにも自由気ままで自分を遮るものは何もありません。故郷から遠く離れた異国の地を歩いていると、本当の自由を感じる瞬間がたくさんあります。しかし、ここではそんな1人旅のデメリットに対して焦点を当てたいと思います。僕は1人で旅を始めて5年が経ちますが、実際は何でもかんでも最高でいつもハッピーというわけではありません。今回は1人旅の3つのデメリットと、その対処法についてご紹介します。ちなみに、逆に1人で旅をするメリットに関してはコチラにまとめてあります。
1.分かち合えない
旅をしていると様々なことを体験したり、出会ったりすると思います。素晴らしい景色や、歴史ある建造物、美味しい食べ物や可愛い動物たち、さらには何かしらの偶然が重なって起きた奇跡の瞬間や予期せぬ珍しい経験をすることもあるかもしれません。1人旅では基本的にそれらの感動を1人で噛みしめることになります。独り占めと言えば聞こえはいいかもしれませんが、感動的な瞬間を一緒に誰かと喜び合いたい時もあります。
僕の場合は特に食べ物の感動を誰かと分かち合いたいと感じることが多いです。未知の料理を口にして、それが美味しかろうが不味かろうが感想を言い合いたいのです。1人の場合だと無言で写真を撮ってからSNSにアップロードしてコメントしますが、なんだかなあという感じです。さらに、食事を物理的に分かち合えないというのもデメリットです。もしそこに2人いたなら料理を2つ頼むことができるので、未知の料理をもっと味わうこともできるのです。
SNSのお陰で今はどこにいても友達や家族と繋がっていることはできますが、それでも直接顔を見合わせて分かち合う感動は一味も二味も違うと思います。
対処法
SNSも1つの手ではありますが、やはり現地で友達をつくってしまうのが一番の対処法です。1人旅だからと言って、ずっと孤高に独りぼっちで居る必要はありません。時と場合に応じて自由に仲間をつくることができるのも、相方に気を使う必要のない1人旅の特権です。
観光地へ行く際、何か食べにレストランに行く際などに宿の誰かと一緒に行くというパターンは非常によく目にする光景です。そのきっかけは様々ですが、僕は同じドミトリーに泊まっている旅人や共有スペースで仲良くなるケースがほとんどです。自分から声をかけるのはなんだかなあという方は、共有スペースで「地球の歩き方」でも読みながら待っていれば誰かしらが話しかけてくれると思います。特に安宿にはそんな空気感のある場所が多いです。
他にも、ツアーに参加するという手もあります。同じツアーに参加している人たちは大抵仲良くなれます。海外にいるというだけで話すきっかけもたくさんありますし、自然とツアー後にご飯でも……という流れになることも珍しくありません。
2.寂しい
1人旅が長い方はこの感情を捨て去った、もしくは忘れ去っている人も多いです。しかしやはり最初の方はふとした瞬間に寂しくなるもので、たまに意味もなく泣いてしまったというような人の話も聞きます。この寂しさはホームシックに繋がりやすく、ネガティブの渦に巻き込まれてしまう可能性があるので注意が必要です。
外国人に囲まれた深夜バスや誰もいないドミトリー、何日もろくに言葉を発していないと引きこもっている訳ではないのに独りぼっちの意識が強くなっていきます。そして長期で旅する孤高の旅人たちをも苦しめるシチュエーションが、ビーチやオシャレスポットの幸せそうなカップル旅行者たちの姿を眺めている時です。仮に恋人がいたとしても、1人旅中にはスマホでしか繋がっていません。その場の雰囲気にアウェーを感じて離れる時にはヤキモキした虚しさと共に寂しさがやってくるのです。
対処法
確かに1人の旅が長く続くと寂しくなる時もありますが、それも含めて楽しむことが重要です。何故1人で旅を始めようと思ったのかそのきっかけは人それぞれですが、その事をもう一度思い出してみるのも良いと思います。それでもまだまだ寂しい人はや特に何も動機なく始めた人は、何か新しいことにチャレンジするチャンスであると認識すると良いです。旅をしていて寂しいと感じているということは、あなたはある程度旅に慣れてきています。旅を始めたばかりの頃に、寂しいなんて感じている余裕はなかったはずなんです。今こそ「旅+何か」にチャレンジする準備が整ったのです。それが旅のペースを上げることなのか、1人旅を止めて誰かと旅をすることなのか、旅の備忘録をつけ始めることなのか、恋人を作ることなのか、音楽や勉強、ブログやSNSなのか、はたまた帰国して何か別のことを始めるのかは自分次第です。自分自身と相談する良い機会なので、寂しく思う時間をもっと有効活用しましょう。
ちなみに極論ですがこの寂しさは時間が解決してくれるものでもあります。寂しさに徐々に慣れていき、最終的には無敵のメンタルを手にすることができる人もいます。オススメは新しいことにチャレンジですが、手段の1つとして何もしないで寂しさを受け入れ続けるという方法があることも言及しておきます。
助け合えない
これは実はメリットでもあるのですが、1人旅では全てを自分で解決しなくてはなりません。ふと困ったり、悩んだりしたときに相談できる相手はおらず、何をするにも自分の判断が全てです。トラブルが起きたときにすぐ頼れる人もいなければ、病気になったときに看病してくれる人もいません。
この助け合えないという事が1人旅において最も難易度の高いポイントだと思います。現地の言葉が話せるなら大した問題にはならないのですが、たくさんの国を旅するなら言葉の問題はトラブル解決の最も高い壁になってくると思います。英語が使えれば多少はつぶしが効きますが、世界には意外と英語が通じないような場所はたくさんあるのです。そんなところでは1人でも2人でも変わらないと思うかもしれませんが、やはり心強さという点で精神面の安定度は天と地かと思います。2人以上の方がより冷静な判断が下せるケースが多いとも思います。
交渉事に不利というデメリットもあります。人数がいれば割引や勢いで交渉事を有利に進めることができますが、1人旅では全ての場面でタイマン勝負になります。同時にそれらを切り抜けようとすることは自身の成長に大きく貢献してくれるので、1人旅の最も有意義なポイントの1つとも言えます。
対処法
1人でなんでも切り抜けて行くには経験が必須となってきます。しかし旅を始めたばかりではそんな経験は基本的に皆無です。ではどうするか、人の経験を借りましょう。我々の先人の旅人たちが様々な成功体験、失敗体験を様々な場所で繰り返しています。それらを利用しない手はありません。つまり地道な作業ですがインターネットで検索しまくりましょう。これからトラブルが起きそうな場所、場面を予測し、前々から調べておくのです。日本人は驚くほど旅好きな人が多く、余程マニアックなところでもない限り情報が落ちています。旅の始めであればそんなマニアックな場所にいきなり訪れることもないでしょうから、全ての情報は事前に調べることが可能です。
人から直接話を聞くというのも良い手段です。僕はよく宿のスタッフや旅人にこれからの行先について聞くようにしています。思わぬ情報や予期せぬ注意事項などを知ることができますし、その対処法や具体案を教えてもらえます。
そんな風に万全を期したとしても、恐らくいつかトラブルは降りかかってきます。それは自分だけの経験として受け止め、自分の能力だけで切り抜ける必要があります。結果として上手くいかなかったとしても、次の同じような状況ではもっと良い方向に切り抜けることができるはずです。そしてもし同じ目に合いそうな人がいたら、そのことを教えてあげましょう。
最後に
デメリットは裏を返せばメリットになることもあります。旅は楽しい事ばかりですが、負の側面ももちろん抱えています。何にでも言えることですが、良い面悪い面両方を経験することで何か見えてくるものがあると思います。この記事がこれから1人旅を考えている人の不安を少しでも前向きなものにできたら幸いです。旅に関する不安についてもまとめているので良かったらコチラもどうぞ。