人が旅する4つの理由
旅をする理由は旅人の数だけあります。
普通に生きていたら、たまに海外旅行に行ったりすることはあっても何ヶ月もかけての長期間の旅行、旅をするということはほとんどないと思います。
では一体なぜ人は旅を始めるのでしょうか。
僕が旅先で旅人に声をかける時、雑談のきっかけを作る時、
「なんで旅をされているんですか?」
という質問をよくします。単純にその理由が気になるというのと、その答えでなんとなくその人の人柄や考え方みたいなものが分かる気がするからです。
今回はそんな風に実際に聞いたたくさんの「旅をする理由」を参考にして、4つに分類してみたのでご紹介します。
1.好奇心に誘われて
誰しも一度は外国という未知の世界に興味を抱いた事があると思います。
テレビやインターネット、SNSの投稿で目にする世界の絶景やインスタ映えする景色などを見て好奇心を刺激され、実際にそれらを自分の目で見てやろうと旅に出る人は少なくありません。
興味を持った一ヵ国を集中的に観光する人や、色んな国々を見て周る人、様々な民族に会いに行く人、異国の芸術や学問に触れることを目的にしている人など、その好奇心の内容は千差万別です。
そして好奇心は連鎖します。
最初はピラミッドに興味を持ってエジプトに行った人が、現地で出会う様々な体験、異文化、人、景色などから新たな好奇心を刺激され、その好奇心を満たすためにまた旅に出るのです。
尽きることのない好奇心はやがて一人の旅行者を旅人に変え、時には放浪者へと変貌させてしまいます。海外放浪者の人たちの話を聞くと、初めから旅が好きだったわけではないという人が割と多いのです。
最初は気晴らし程度の旅行のつもりだったのが、どんどん旅に魅了されて深みにはまっていくのです。ある意味旅は好奇心を満たす麻薬のようなもので、依存する人はどっぷりと浸かっていきます。
2.何かに影響されて
何かの影響を受けて旅を始める人もいます。
ドラマ、映画、人なんかに影響されるというケースが多いように思います。
特に人の影響というのはかなり大きな割合を占めていると思います。学校の先生や両親、友達などの身近な人から旅についての話を聞くと、自分もやってみようかなという気になってきます。
旅についてのイベントでは、世界を練り歩いたバックパッカーたちが旅先の体験談を語っています。興味半分で話だけ聞きに行ったけど、面白そうだから私も旅してみようと日本を飛び出す人とかもいます。
テレビやユーチューブで旅をしている人を見たり、旅についての映画やドラマに影響される人もいます。実際に、イージーライダーに憧れてハーレーでアメリカを横断したという旅人にも会った事があります。
旅をテーマにしたロードムービーなんかを観ると最高に旅したくなりますが、それは一度旅を経験した人あるあるなのかなと思っています。旅を始める以前もロードムービーは好きでしたが、それはあくまで画面の中の世界であって自分とは切り離されているように感じていました。
しかし実際には旅はすごく身近なもので、映画の主人公たちのように誰でも明日にでもできるのです。
3.自分を変えたくて
自分を変えるきっかけにしようと旅に出る人もいます。
「自分探しの旅」などと茶化す人もいますが、旅は自分を見つめ直すには最高の機会だと僕は思います。特に一人旅は異国についてだけではなく自分自身に対してもたくさんの発見や気づきがあります。
実際に僕が出会った旅人でも、引っ込み思案な性格を変えたくて旅を始めたという人がいました。海外にいる時点で引っ込み思案ではないだろうとツッコミましたが、本当にこういう理由で旅を始める人がいるのです。
自分を変えるために何かを成し遂げてみたいという人もいます。
自分に自信をつけたくて、世界一周、ヨーロッパ制覇や東南アジア制覇に挑むような人たちです。
何か自分を変えたいという人はそんな風に目的を持って旅をしている場合が多い印象です。僕は外国を何ヵ国か旅しただけでも十分自信を持っていい経験だと思いますし、逆に世界を一周したとしても内容が空っぽでは本人に特別に変化はないのかなと思います。
世界を何周するかなんてくだらないよ。一周したからなんだってんだ?南米行って帰ってくるなんて今の時代難しくもなんともないよ。
— すぴ@旅と御茶ノ水のシーシャ屋ワープ (@tabishisha) January 10, 2020
旅初めた頃にカンボジアで会った世界一周中のフランス人のおっちゃん、こないだ会ったけどまだタイだったぞ。急いで一周しなくてもゆっくりじっくりって手もあるよ!
4.人生に絶望して
旅に出るきっかけが必ずしもポジティブな理由というわけではありません。
中には自暴自棄になって旅を始めるような人もいるのです。
旅をすることによって癒しを求めているというよりは、辛い現実から逃げるように国外逃亡すると表現した方が正しいかもしれません。日本から切り離された世界に飛び出すことで、日本の生活、日本の自分、日本のしがらみから解放されたいという人たちがいるのです。
仕事が上手くいかなくて、人間関係に悩んで、楽しい事がなくて、その理由は人それぞれです。
なぜ人生に絶望して旅に出るという選択肢に至るのかは分かりませんが、そんな人たちが存在することは確かです。なぜ言い切れるのかというと僕自身がそうだったからです。
絶望とまではいかなくとも、何か悩んでいたり苦しんでいることがある人でも旅をしてみるというのはとてもオススメです。陰鬱とした気持ちが晴々しますし最高の気分転になると思います。
何かに落ち込んでいても、結局壮大な景色や目を見張るような絶景を前にすれば頭空っぽで感動できます。異文化に触れたりその国の予想外の常識みたいなものを目の当たりにすると視野が広がり、自分の抱えていた不安や悩みが客観視できたり馬鹿馬鹿しく感じる事ができたりします。
最後に
どんな理由で旅に出たとしても大切なのはその中身です。自分が楽しむ事ができていればOKなのです。
出発地点がどんなに悪かろうが道中が素晴らしければきっと終着地点も素晴らしいはずです。
旅に関する小話やノウハウをまとめているページもあります。良かったら覗いていってください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!