ハンガリーの温泉エピソード

ハンガリー編

 ハンガリーには日本と同じく温泉文化があります。日本のように全裸での入浴はできないので、開放感は少し薄れてしまいますが、それでも温泉は温泉です。やはりお湯にどっぷりつかれるのは最高です。しかも海外で!

 水着の着用が必須ですが、水着の入浴に慣れすぎて日本で久しぶりに温泉に入った時にはめちゃ開放感がありました。

 今回はそんなハンガリーでの温泉エピソードをご紹介します。

 

現地の若者とサウナ勝負した話

 

 ハンガリーの温泉は日本の和の雰囲気溢れる造りとは違って、ヨーロッパ情緒溢れる内装や外装になっています。

 温泉の数も一つや二つではなく、小さなものを含めると割とたくさん点在しています。僕はいつも観光地化されている大きな温泉ではなく、地元の人たちが通うローカルな温泉に足を運んでいました。

 大きな温泉よりも断然安く、温泉の温度も高く、ゴミゴミに混んでいないので僕好みでした。

 日本の温泉や銭湯と同じく、ハンガリーの温泉にもサウナがあります。サウナに入っている人たちはおじさんやおじいさんが多かったですが、たまに若者も見かけました。
ある日、いつものように大浴場でプカーッと浮かんでいると、若者に声をかけられました。こっちをジッと見てきていたので、目と眉毛を動かして頷きかけると、スイーッと寄ってきて「どこから来たんだ?」と尋ねられました。

 日本からだと答えると、日本文化大好きだよとのことでしばらく盛り上がりました。
日本にも温泉があることを伝えると、サウナはあるのかと尋ねられました。もちろんと答えるといざ勝負しようということになりました。

 僕は普段からあまりサウナの利用はしませんが、気合と根性で勝利しました。

 季節は冬で、ハンガリーの冬はめちゃんこに寒いのですが、外に出ても全く身体の熱が引きませんでした。彼は半袖で歩いていたので街行く人たちにジロジロ見られていました。

 負けた方が飲み物を奢ると約束していたのですが、彼は全然持ち合わせがなかったので結局僕が飲み物とハンバーガーまで奢りました。

 

男たちに囲まれた話

 

 ハンガリーのある温泉はゲイ温泉とか言われたりしますが、正直言ってそんなことはありません。

 少なくともそんな経験は2、3度しか起きませんでした。

 一応、金曜日が慣習的にゲイの人たちが集まる日と聞いてはいましたが、別に気にすることなく足繁く通っていました。というか、ゲイが集まるということは僕にとって温泉に行かない理由には全くならないです。

 ある日、いつものように大浴場でプカプカ浮いていると、気持ち良くて眠ってしまいました。正確にどれくらい寝ていたのかは覚えていませんが、1時間も目をつぶってはいないと思います。

 ふと目が覚めると、牛丼屋の隣の席くらいの距離に男性が座っていました。30半ばくらいの、少しハゲが始まってる感じの人でした。この広い大浴場で、そんなに人もいなかったので、その謎の距離感を嫌って僕はスイーッと広い空間へと移動しました。

 まだ眠気のとれていなかった僕は再び目をつぶっていたのですが、何か気配を感じて目を開けました。さっきの男が横にいるのです。

 さらにもう一度同じことを繰り返して、流石に僕は大浴場を出てサウナに移動しました。それ以上は追いかけてきませんでした。

 そしてそれから何日か経った後、また大浴場で昼寝をしていました。ふと目を覚ますと、僕の周りに6、7人の男たちがいたのです。大浴場に僕の周りにだけ人が集まっているのです。

 流石にその日は切り上げて宿に戻りましたが、割とびっくりしました。特に何かされたわけではないので、それからも温泉には通っていましたが、そんな経験はそれっきりでした。

 

チェスの激戦でのぼせた話

 

 ハンガリーでは温泉の中でチェスを打つ人たちがいます。

 浴場の中にチェスの台がニョキッと生えており、人々は駒を持ち寄りその台に並べて遊んでいます。

 チェスはルールくらいは分かりますが、毎日温泉で打っているような玄人とは全く渡り合えません。

 当時僕はハンガリーでホステルの管理人をしていたのですが、あるお客さんと意気投合しました。その旅人はなんでも、チェスの大会に出て結果を残すほどの腕前らしく、それを聞いた僕は早速彼を温泉に連れて行きました。

 彼の腕前は凄まじく、ばったばったと相手をなぎ倒していきました。すると、負けた1人が大柄な初老の男性を連れてやってきました。雰囲気的にボス的な存在なんだろうと予想できました。事実、その戦いは熾烈を極めているようでした。僕が連れてきた旅人も今までの余裕の笑みは吹き飛び、真剣な眼差しで盤面を見つめています。

 僕もジッとその白熱した戦いを見守っていましたが、だんだんとのぼせてきました。その温泉はぬるめのお湯なので、のぼせることは滅多にないのですが、流石に長丁場過ぎて限界が近づいていました。

 一足先に上がって彼を待っていたのですが、のぼせ上がってかなりクラクラのフラフラでした。戻ってきた彼も全身真っ赤っかでフラフラしていました。結果は敗退ということでしたが、風呂じゃなければ勝っていたとしきりにぼやいていました。

 

最後に

 ハンガリーは温泉、美食、夜景、古き良き街並み残る観光しがいのある国です。

 夏は温水プール感覚で観光地温泉に、冬は熱めのお湯のあるローカル温泉がオススメです。人々がチェスを打っている姿を見に行くならセーチェニ温泉、少しローカル感のある方が良ければキラーイ温泉をオススメします。

 

 ハンガリーについても少しですが記事を書いているのでコチラをどうぞ。

 

 最後まで読んで頂きありがとうございました。

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