これは「シーシャ屋さんで出会った面白い人特集その5」の続きですが、内容は繋がっていないのでどちらを先に読んで頂いても問題ありません。
シーシャ屋さんには本当に色んな人たちが来ます。
日本と海外を併せたら少なくとも50軒以上はシーシャ屋さんを巡りましたが、そこには色んな出会いがありました。シーシャ屋さんにやって来る人はどこか変わった人が多く、良い意味で変な人たち、面白い人たちが集まるような気がします。
2店舗のシーシャ屋店員としても働いた経験がありますが、そこにやって来るお客さんたちも中々の曲者揃いで、働いていてとても楽しかったです。
今回はそれら国内外のシーシャ屋さんを通して関わった人たちの中から特に僕が面白いと思った人物や、またその人たちの経験談を紹介しようと思います。
料亭のオーナーさん
シーシャは年代を問わず嗜まれる嗜好品ですが、日本ではあまり年配の方が吸っている姿は見かけません。
シーシャの本場であるアラビックな国々では、お年寄りがモクモクと美味そうに煙を吐いているので中々エモいです。日本にとってはまだ比較的新しいモノなので、若者層にも広がりきっていないシーシャですが、たまーーーに年配の方が興味本位でお店に来たりします。
店員の立場からするとかなり嬉しいもので、いくつになっても新しいモノにチャレンジする姿勢には尊敬と学びがあります。
以前僕は外に席を出してシーシャを吸えるお店で働いていたのですが、彼はその時にやって来たお客さんです。
外でシーシャをブクブクしていると、少なからぬ人たちに胡散臭いモノを見るような目で見られます。そんな人たちにいらっしゃいませーと声をかけると、そそくさと足早に見なかったフリをしてその場から逃げてしまう人が大半です。
彼もそんな人たちの1人だろうとタカをくくり、やる気なく「シーシャ試してみませんか〜?」と投げかけました。
彼は60〜70歳くらい(後で聞いたら65歳でした)の男性で、目つきするどく並べてあるシーシャをにらみつけていました。僕は内心、「あーコレは何故か分からんけども怒られるヤツだ」と覚悟を決めていました。
「1つください」
そう言ってベンチに腰をかけて腕組みしたので、僕は慌てて謝罪モードから接客モードに切り替えました。
シーシャを出し、少しずつつついてみると割とお喋りでユーモアのある人でした。
なんでも僕なんかでは入れないような料亭を経営しており、色々なお店に呼ばれてアドバイスをしたりしているとのこと。そんな人がなんでシーシャに興味を持ったのかというと、これがまた真面目な話だったのです。
「ドバイから来るお客さんにパーティというか宴会の頼みをもらっているんだ。こういうシーシャと呼ばれるモノがあることは知っていたが、試したことはなかったんだ。ちょうど良い機会をありがとう」
結局かなり仲良くなり、フェイスブックまで交換しましたが、未だに再開はできていません。
投資銀行の重役
ニュージーランドのシーシャ屋でゆっくりしていたときのことです。
シーシャ屋にはシーシャはもちろん、お喋りを目的に来る人が少なくありません。僕も誰かしらと話にシーシャ屋に行ったりしますが、外国ではそのハードルが少し高く感じてしまいます。英語でいきなり「what’s up bro」といくには少し英語力が足りていません。
しかしながら、僕は日本のシーシャ屋さんよりも、外国のシーシャ屋さんでの方がコミュニケーションをよくとっていました。何故かというと、彼らは圧倒的にフレンドリーなのです。
つまり、日本と違って話しかけられることの多かった外国のシーシャ屋さんでは色々な人たちと絡んでいたのです。かなり浅い絡みの数々でしたが、それでもたまにはガッツリ雑談したりすることもありました。
そのガッツリ話をしたうちの1人に誰もが知るであろう有名な投資銀行の重役がいたのです。ニュージーランド支社か何かのお偉いさんらしく、見た目からしてお金持ちそうでした。パリッとしたスーツに高そうな時計とピカピカの靴、映画に出てきそうなビジネスマンという感じでした。
僕の隣の席に座っており、ふと眼が合った瞬間に声をかけられました。仕事を辞めて長年フラフラと旅をしているのだと言うと、かなり興味を持ってくれました。
印象的で覚えている会話が1つあります。
「仕事に満足していたならなんで辞めちゃったんだ? 旅をした後にまた仕事を探すのは面倒だろう?」
日本では長期間の休暇を取ることが難しいので、仕事を続けながらの旅は現実的ではないと言いました。
「君は旅が好きなんだろ? なら一体何のための仕事なんだ?」
彼は仕事で成功していますが、好きなことは別にあると言っていました。徹底的に仕事と自分の好きな事を分けており、分けても生きていける仕組みが社会にあるのです。希望すれば数ヶ月の休みを取ることができて、例えば旅と仕事を両立できるのです。
日本でそれをやろうとするなら、自営以外の選択肢があるのでしょうか。自由なようで窮屈な社会を感じました。
アラブ人街のドン
海外でシーシャが吸える場所というのは、大抵アラブ人街です。
日本的なシーシャカフェというよりも、ケバブやアラビアンランプの似合う通りにシーシャ屋があるのです。そしてアラブ人街というのは、中華街ほどではないですが、割と世界中どこにでもあったりします。
東南アジアではシーシャが禁止されている国がありますが、アラブ人街では普通にお店があったりします。摘発されないのかと聞くと、お金で解決しているのだとか。
とにかく、そんなアラブ人街でシーシャを吸っていたときのことです。僕は現地の友達と一緒にお店で煙をふかしていました。
スッとある大柄な男がお店に入ってきたのですが、空気がピリッとしたのです。店の店員が全員サーッと集まってきて、言葉は分かりませんがかなりチヤホヤし始めたのです。
僕は友達と顔を見合わせて、店内の異様な空気に頭を傾げました。飲み物でも頼むついでに聞いてみるかと店員を呼びましたが、かなりおざなりにされます。
注文を取りに来たのは、大柄な男性の接客が全て済んでからでした。
一体何者なんだと尋ねると、ボスだよと言います。このお店のオーナーなのかと尋ねると、この街のボスだよと言います。
何が街のボスだよと思いましたが、おれ周りの反応や対応を見ていると、そうなのかもと思わされました。
最後に
シーシャ屋さんには店員さんを含めて癖の強い人たちがたくさんいます。
僕の経験上そのほとんどの人たちが良い人たちで、話をしていてとても楽しいです。シーシャ屋さんで知らない人とお喋りすることもまた、シーシャの醍醐味の1つなのかなと思っています。
まだ行ったことがないと言う人も、もし興味が湧いたらこの機に近くのシーシャ屋さんを覗いてみてはいかがでしょうか。
「シーシャとはそもそも何ぞや?」と言う人のために、シーシャについてまとめた記事もあるので↓↓をどうぞ。