海外放浪5年間で気付いた日本の異常さ4選

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 長期で海外を放浪し、時々日本に帰ってくるとホッとすると同時に今まで気が付かなかった様々なことに気がつかされます。故郷の日本でカルチャーショックを受ける感覚は面白く、特殊な日本の文化や生活を改めて自分の肌で感じることができます。帰国後は「やっぱり日本が一番派」と「早くまた海外に行きたい派」に分かれがちですが、僕はいつもその両方を感じています。外国と日本を比較するとどちらにもそれぞれの魅力があるからだと思います。そんな風に海外と日本を行き来していく内に見つけた、僕の感じた「日本の異常さ」を4つをピックアップしてご紹介したいと思います。

 日本は街が異常なまでに清潔に保たれています。繁華街などに行くと道路が汚れていたりしますが、それでも他の多くの国に比べれば圧倒的なまでにキレイだと思います。特に僕が異常に感じるのはその徹底ぶりです。お店やレストランの中はもちろん、一番汚いであろうはずのトイレまでもがキレイに掃除されています。日本の街を歩いていて下水の匂いを嗅いだり、謎の汚水で水まりになっていたりすることは稀だと思います。野良猫は見かけますが野良犬はもうほとんど姿を消していて、カラスも数を減らしている印象です。気付かないうちに日本の清潔さには拍車がかかっているのかもしれません。

 そして日本の街はただ清潔を保っているだけではなく、無駄を排除するための多くの仕組み化に成功しています。街中にはコンビニや自動販売機が立ち並び、人々が便利に効率的に生活できる環境が整っています。街を走る車からけたたましいクラクションの音が鳴り響くことはなく、車やバイクがいないのに人々は青信号を待って立ち止まっています。車をすり抜けながら横断歩道のない大通りを渡っている人も見かけません。ルールの下に誰もが他人から迷惑をかけられなくて済むように、かけなくて済むように仕組み化されているのです。

 外国で出会った汚い道路や悪臭、無駄な時間やルールの数々を思うと、こんなにも理路整然としていてカオスという言葉とは真逆に位置する街並みは異常だと思います。

 日本の食の多様性は異常です。もちろん外国には外国の食べ物があり、それらもまた大いに多様なのですが、日本とは比べ物になりません。日本には日本食だけではなく、世界中の料理があります。別に中国へ行かなくても、ベトナムに行かなくても、ヨーロッパに行かなくてもそれらの国の料理はいくらでも食べることができますし、しかもそのクオリティはかなり高く、下手な現地の味より美味しかったりもします。そしてその数は1店舗や2店舗ではありません。他国の料理屋が唸るほど日本には集結しているのです。

 さらにご当地グルメの存在も忘れてはいけません。1つ1つの県によって推している食べ物がある国は間違いなく日本だけです。ほとんどの外国は、なんとなく北のエリアと南のエリアで有名な食べ物があるというレベルです。

 そしてさらに「価格」です。よく日本は物価の高い国の代表例のように言われたりもしますが、実際はそうでもありません。日本の外食は一食300円から500円でお腹いっぱいにできて、しかもしっかりと美味しく仕上がっています。そんな先進国が一体世界にいくつあるでしょうか。日本の食は価格までも多様なのです。

 料理の全てがここまで多様な国は日本だけなんじゃないでしょうか。そして何よりそれらが基本的に全て美味しい(僕が日本人だからというのを差し引いても)というのもポイントです。日本人の食に対する貪欲さは異常と言わざるを得ません。

仕事

 日本人の仕事に対する姿勢は異常です。コンビニやレストラン1つとっても、座っている店員はおろか、壁に寄り掛かっている店員すらいません。働いている時間にスマホをいじっていたり、従業員同士で雑談している光景にこの国で出会うのはツチノコを見つけるより難しいでしょう。しかし国によっては、コンビニの店員は電話をしながらレジを打ち、ガムを噛みながら接客し、伝票を投げてよこします。お客次第では不機嫌な態度をとったり、お釣りがないからと商品を売らないことだってあります。

 仕事に対する意識が日本は高すぎるのです。海外で日系の会社に勤めている人が僕に愚痴ってきたことがあります。

「休日なのに仕事の連絡が来るんだ。私はこのメールを受け取って一体どうするればいいの?」

「日本だと当たり前に返事を返したりしますよ」

 と言うと、目を見開いて驚いていました。

 海外で話のネタに困ったら、日本の残業や休暇の話をすると気持ちの良い反応をもらえると同時になんだか悲しくなったりします。僕の話で一番驚いていた髭も髪もぐしゃぐしゃのヒッピーみたいなヨーロピアンに話を聞いてみると、3ヵ月の休暇を取って旅をしている銀行員だったりします。

 休暇を取らず残業もして少しでも多くの仕事を終わらせようとする日本人の仕事に対するプロ意識は異常だと思いました。

子供

 日本の子供の少なさは異常だと感じました。海外で子供を意識したことは特にないのですが、日本に帰ってきた時に毎回思うことが「子供が全然いない!」ということです。以前は「都心部ならまだ結構いる」と言っていたのですが、最近では都心でも子供を見ないように感じます。少し地方へ行くと、子供はおろか若者の姿まで少なく感じます。このことを意識して旅や旅行に出ると、逆に「海外は子供が多いな!」と感じるようになりました。

 少子化だ少子化だと言われていますが、日本国内にいる間はなんだか実感が全くわきませんでした。それがたまたま海外から日本を見る機会が多くなり、ようやく腑に落ちた感じがします。あまり真面目な事を考えながら旅をしているわけではありませんが、日本の社会問題を自らの目で直視した感覚があったので「異常」という枠組みで紹介しました。

 以前バンコクの電車の中で子供に席を譲っている光景を目にしましたが、その頃日本では赤ちゃんを抱くための「抱っこ紐」を外す人のニュースがタイムリーで考えさせられました。

 

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