【旅の思い出し日記】イスラエルの死海おじさんと過ごした一日

イスラエル編

 イスラエルには死海と呼ばれるユニークな湖があります。

 塩分濃度が高すぎて生き物が生息しておらず、身体がプカプカと勝手に浮かび上がってしまうのです。

 僕は旅をしている中でもかなり楽しみにしていた場所で、実際にめちゃくちゃ楽しんだ場所でした。そして僕のように死海が大好きだと言う人は少なくなく、愛好家のような人がいるのです。今回はそんな死海愛好家のおじさんと過ごした一日についてつらつらと記して行きます。

 

 僕が彼と出会ったのは死海へと行くバスの中でした。

 隣の席のおじさんに、これからどこに行くんだと聞かれ、死海だと答えると、自分も行くんだよと嬉しそうに言っていました。見た目は初老ぐらいですが、子供のように目をキラキラさせて死海を楽しみにしている彼の様子を見て、僕も期待値がかなり上がりました。

 バスの車内でおじさんが僕に教えてくれたことは以下の6つです。

・思った以上に浮く
・1時間入るとお尻が痛くなってくる
・舐めるとしょっぱいというよりは苦い
・素足だと底に溜まった塩の結晶で痛いが我慢できないレベルではない
・死海を出ると身体についた塩分目当ての虫が来てウザい
・死海でも溺れる

 覚えているのは6つだけですが、もっと色々と教えてくれました。僕の英語力的に分からなかったのもいくつかありました。そして上記の事柄は、「死海でも溺れる」を除いて全て彼の言う通りでした。僕はどうしたら溺れられるのかサッパリでした。

 ヨーロッパのどこの出身だったかを覚えていないのですが、死海が好き過ぎてよく来るリピーターでした。死海マスターだから分からないことはなんでも聞いてくれと言われましたが、正直なところ死海に関する疑問点は思いつきませんでした。

 死海で溺れるというのは彼の実体験らしく、その時のエピソードも嬉々として話してくれました。あまり嬉々として話すようなことでもない気がしますが、彼は楽しそうに教訓をくれました。

 死海でプカプカ浮かびながら、色々なポーズを1人で試行錯誤しているときにバランスを崩して溺れたのだそうで、死海で溺れると強烈な濃度の塩水を飲んでしまうのでめちゃくちゃ危険だそうです。彼はゲーゲー吐いて味わったことないくらいの頭痛に悩まされたと言っていました。「Worst In My Life」と首を振っていたのを思い出します。

 

 現地に着くと、彼とは一旦別れて行動しました。

 このままこのおじさんと海水浴かあと思っていたのですが、僕の心の内を読んでか自分が純粋に楽しみたいのか分かりませんが、またねっとサラリと別れました。余談ですが、いつまで経っても外国人(体感で特にヨーロピアン)の距離感の詰め方と離れ方はとても自然でカッコイイと感じます。おそらくこの辺りは日本人が最も苦手とする技術で、生まれ持ってなのか国民性なのか自然と心得ている人がヨーロピアンに多い気がします。

 とにかくその場ではあっさりとおじさんと別れたのですが、死海で遊んでいるときやビーチで寛いでいる時にチラチラとおじさんの様子を見たりしていました。おじさんはずっと死海に浮いており、全然陸に戻って来ないのです。

 僕は早めに上がって近くのスーパーで涼んだり、冷たい飲み物を買ったりしてまた死海に戻ってきてもまだプカプカと死海に浮かんでおり、3、4時間は浮いていたんじゃないかと思います。たまにビーチに戻っては水を飲んでまた浮かびに戻るという繰り返しを送っていました。

 たまたま帰りのバスも同じになり、じゃあまあ飯でも行こうかという話になりました。イスラエルは物価が高いのであまりレストランに行ったりはしたくないなあと思っていると、またもそれを知ってかチェーン店のサンドイッチを食べようと提案してくれました。

 「New Deli」というチェーン店なのですが、日本感覚のファストフードと比べると割高感がありますが、ボリュームがあってヘルシーなのでイスラエルではめちゃくちゃお世話になっていました。

 「死海で泳いだあとはここでチリサンドにチリソースしかないよ」みたいなことを言っており、中々いかしたジジイだなと思いました。初老にもなって少年のように好きなことに真っ直ぐ純粋なのは、それを見ているコッチまで清々しく気持ち良い気分になるので見習おうと思いました。

 しかし僕には彼の一連の行動の中で一つ気になることがあったのです。

 「死海にそんな長い時間つかっていて大丈夫なの? 僕は1時間でもうお尻が痛い気がして一回ビーチに上がったよ。しかもチリサンドにチリソースって大丈夫なの?」

 「それがイイんだろ」

 何がイイのかいまだに全く分からんのですが、何となく食らったのでここに書き残しておこうと思いました。

 彼曰く毒を食らわば皿まで的なことを言っていましたが、流石に心身共に疲れてきた僕の英語脳は限界を迎えており、後半の会話はほとんど流し流しになってしまって今考えるともったいなかったなと思います。

 

最後に

 イスラエルに関して他にも少しですがまとめているのでコチラの一覧をどうぞ。

 楽しかった死海についての記事も一覧にあります。

 

 最後まで読んで頂きありがとうございました!

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