パレスチナ
パレスチナは度重なる侵攻と占領によってどんどんとその規模を小さくしています。
今ではヨルダン川西岸地区(ウエストバンク)とガザ地区(エジプトに隣接しているエリア)が残っているばかりで、60年前のパレスチナの面影はほとんどありません。
領土の推移は以下の画像の通りです。緑がパレスチナ 、白がイスラエルです。
なぜこうなったか、ざっくりと説明すると以下の通りです。
1.世にはユダヤ人て可哀想というムードがあった⇨国を持たないしナチスに虐殺されて可哀想
2.みんなでユダヤ人たちの国を作ろうか
3.アラブ諸国(パレスチナ)「ここは俺たちの場所だ。そんな無理矢理なことするなら戦争な」
4.アラブ諸国(パレスチナ)「負けました領土をどうぞ」
めちゃくちゃざっくりですがこんな感じです。中東戦争は各国の思惑が交錯する複雑な歴史に彩られ、調べれば調べるほどにまるで映画やドラマのようです。
イスラエルの侵攻はその後も続き、今ではパレスチナは画像の通りのサイズにまで縮小しました。東エルサレムというパレスチナ人(ムスリム)の聖地もイスラエルが実効支配しています。
最もそこはイスラム教だけではなくユダヤ教とキリスト教にとっても聖なる場所ということで、3つの宗教が重なり合って存在しています。
エルサレムの旧市街では十字架をぶら下げたキリスト教徒と白い衣装に身を包んだイスラム教徒が談笑していたりして、なんだか考えさせられますし感動してしまいます。
どんどん小さくなるパレスチナ。このまま握り潰されてしまいそうだ。相も変わらず陣取りゲームが大好きな我々。
— すぴ@旅と御茶ノ水のシーシャ屋ワープ (@tabishisha) January 5, 2020
分離壁でいつまでも国を区切るなんてイスラエルも進んでる。アパルトヘイトウォールにビッシリと描かれたグラフィティアートの中には銃を向けられながらも書き続けたバンクシーの作品も。 pic.twitter.com/3AcklCy3td
分離壁のアートたち
通称アパルトヘイト ・ウォール(分離壁)はイスラエルが自爆テロ防止のために建築しました。国の間に作ったかというとそうではなく、パレスチナ自治区の内側に大きく食い込んで作られています。
その壁にはたくさんのグラフィティアートが描かれており、かの有名なバンクシーの作品も9枚描かれています。
壁を見上げながらベツレヘムを散策してきたので、その時の写真をドバッとご紹介します。
【世界一眺めの悪いホテル】バンクシーホテル
ベツレヘムのアパルトヘイト・ウォールのすぐそばにあるバンクシーホテル、通称「世界一眺めの悪いホテル」と言われています。正式名称はザ ウォールド オフ ホテル(The Walled Off Hotel)です。
どの部屋からも目の前のアパルトヘイト・ウォールを眺めることができるウォービューになっています。
一階部分は宿泊客でなくても入ることができ、中を見学する事ができました。バンクシーの絵画が飾られていたりTシャツなどの物販もありました。
独特な雰囲気に包まれており、外のパレスチナとは空間が切り離されているかのように別の世界のようでした。どこかの有名人が「まるで絵画に入り込んだかのようだ」と言っていましたが、本当にそんな感じです。
僕が行った時には観光客(宿泊客?)がたくさんいたので少しゴミゴミしていました。
価格は時期で多少前後しますが、ドミトリーなら1泊6,000円くらいです。
1部屋とるとなると1泊20,000円弱はするみたいですね。
ブッキングドットコムで見るとそんな感じでした↓↓。
ザ ウォールド オフ ホテル
パレスチナの物価からするとかなり不釣り合いな宿泊費設定ですが、現地の人たちを50人以上従業員として雇っているとのことなので、現地への還元を果たしているのではないでしょうか。
ちなみにバンクシーは身元不明のアーティストで、皮肉の効いた絵画を落書きすることで知られています。
アパルトヘイト ・ウォールにペイントしている時にはイスラエル軍に銃を向けられながらも完成させたのだそうです。
最後に
パレスチナの問題は可哀想を救うために新たな可哀想を生み出しており、頭の良い人たちはそこのところをもう少し上手くやれないものかと思ってしまいます。
パレスチナでは普通に人々が生活をしていましたが、その生活水準は壁外のイスラエルと比べると差があるように感じました。
色々な人たちのアートがアパルトヘイト ・ウォールに描かれていましたが、共通して叫ばれているのは平和についてです。それらの絵画はいつまでも眺めていられるくらいに興味深かったですが、願わくば次回訪れた際には全て打ち壊されていればと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました!