マレーシア生活で唯一観光らしい観光しました。バトゥケーブという洞窟です。ヒンドゥー教の聖地です。市内から電車で簡単に来られるので気軽にふらっとやってこれました。クアラルンプールは大都会ですが、少し離れると近くにそんな大きな都市があるとは思えないような風景に様変わりします。そしてバトゥケーブまで来るともう都会の雰囲気は全くなく、代わりに大自然とのどかな田舎の景色が楽しめます。
バトゥケーブ駅を出るとすぐに巨大なハヌマーン像が立っています。猿の神様なわけですが、ここで予告しているかのように中は猿だらけです。観光客の多さからでしょうか、猿たちは割と人間慣れしているようでしたが、襲いかかってくるようなことはありません。こちらが変に反応しなければ可愛い奴らです。
てくてく歩いて行くと煌びやかな建物があらわれ始めます。自然と人工物が上手くマッチしていると壮観なのですが、これはそうでもないような……。後ろの山肌はカッコイイんですけどね。
道中にも猿がとことこと歩いていて、観光客が餌をちらつかせて一緒に写真を撮ろうとしたりしていました。バトゥケーブは駅からそんなに離れておらず、10分もかからずお目当ての場所が見えてきます。
て、猿より鳩多い!みんな餌やりしてるから集まってくるんですね。僕の感覚ですがこのような洞窟だけではなく、遺跡や寺院などの歴史的な場所に何故か鳩は多い気がします。
色々な場所で餌を撒いてる人たちがいるのですが、何匹かの猿が順番に巡回して鳩たちの餌を根こそぎ横取りしていました。鳩たちは彼らには敵わないのでバタバタと逃げて行きます。
階段はなんと全部で272段。そして実はここ、インスタ映えとしてSNSで大注目を浴びている場所なのです。カラフルな階段がとても「映え」ですね。
全然カラフルじゃない!ただ赤と白の縞々じゃないか!
実は僕がここへ訪れたすぐ後にカラフルになったんです。。。ある意味貴重な画像が撮れたということで自分を納得させていますが、もし気になったら検索してみて下さいね。とっても綺麗できっと行きたくなりますから!
でもお猿さんたちには気をつけてください。食べ物だけじゃなくペットボトルも取られている人がいましたし、食べ物が入っていると疑われてカメラケースを引っ張りっこしてる人もいました(笑)。
めっちゃ可愛いんですけどね。
基本的には人と一定の距離(近くても一メートルくらい)を保っているんですが、道中奇跡が起きました。猿の一匹が僕の肩に飛び乗ってきたのです!食べ物はおろか飲み物すら持たない手ぶらの僕の肩の上に座り、髪の毛に掴まるサルの感触はふわふわで柔らかかったです。周りから観光客のどよめきとシャッターの音が聞こえてきましたが、どうしていいかわからずオロオロしているうちに猿はまたどこかへ飛んで行ってしまいました。一人旅の辛いところですが、こういう時に写真を撮ってくれる人がいないんですよね。周りの人からもらおうと思ったんですが、すぐに皆知らん顔して立ち去ってしまい、聞けずじまい。そういうハプニングの時にすぐにセルフィ―できるほど冷静な人になりたいもんです。
そんなこんなしているうちに入口です。
雰囲気ある!中涼しい! とうきうきしていると、待ち構えていたかのようにおじさんに声をかけられました。
「おい、持て!ついて来い!」
「え……?」
おじさんは観光客に片っ端から声をかけて砂の入ったバケツを押し付けようとしていました。みんな訝しがって首をかしげていましたが、僕は面白そうだと思ってバケツを手にとりました。
「重ッ! 意外と重いよコレ!」
「ハハハ、ヤングメーン」
どゆこっちゃと思いながら着いて行きました。
奥にある砂山にザバーとばけつの中身をぶちまけます。もう一往復しないかと勧められましたが流石に断りました。でもおじさんは結構重いバケツを1人で運んでいるので、ここに訪れた際には一回くらい手伝ってあげると良いかもしれません。
洞窟の内部は猿が少なく、シンとした空気が漂っていてミステリアスな雰囲気でした。老朽化なのか風化なのか所々工事もしていました。
頂上に着いたら何か飲み物を買おうと思っていたのですが売店など何もなかったです。聖地だからか、はたまた猿たちのに邪魔されるからかなのかは分かりませんが、欲しい物があったら階段の下では買えます。僕みたいに喉がカラカラで動き回ることのないよう。
僕のへなちょこ写真なんかより、実際の頂上の景色は絶景です。奥にクアラルンプールの街並みを見渡すことができ、写真で見るよりずっと高く感じました。
お猿に関して大袈裟に反応している人もいましたが、こっちがリスペクトしていれば何にもしてきませんよ!可愛い我々の祖先たちです!(そんなこと言っておいてインドのハンピで猿と大喧嘩したことも……)
ではでは